◆1605.学園の有名人 ページ17
イヴ.
ケイト「美味しくて話題性抜群のエピソードまであるなんて、バズり確定。 絶対食べたいよ！」
トレイ「あぁ。ここでしか食べられないなら、見過ごすわけにはいかないな」
グリム「オレ様も！ 思いっきりかぶりつきたい！」
ジャミル「この先に、祭りの日にだけ露店を出すフルーツ店があります。そこのシルキーメロンがおすすめです。その店は半分に切ったメロンの上に、自家製のメロンアイスを載せていて……」
マレウス「アイスか。それはいい。僕も頼むことにしよう」
ジャミル「氷菓好きのマレウス先輩なら、興味を持たれるかと思いました」
ジャミル「Aとイヴはどうする？」
正直驚いた。
そんな豪勢なものを食べていいのかと。
「遠慮するな」と言うジャミル先輩は本当に神様か何かなのか。カリム先輩のお父様がお金を出してくれるとはいえ、懐も器も大きすぎる。
イヴ「た、食べたいです……」
『た、食べたいです……』
ジャミル「わかった。味は俺が保証するよ」
『あとで請求されても、僕ら払えませんからね！？』
ジャミル「わかってる。人数分買ってくる。店はすぐそこだ」
トレイ「持つの大変だろ。俺も手伝うよ」
イヴ「でしたら私も、」
『だったら僕も、』
ジャミル「２人いれば十分だ。お前達はナジュマ達と待っていてくれ」
そう言ってジャミル先輩とトレイ先輩はすたこらと露店の方へと歩いて行ってしまった。
私とAちゃんは手持ちぶさたになったため、大人しくベンチに座る。
『これだからスパダリな男は嫌なんだ……』
イヴ「あはは……」
ナジュマ「？」
木陰の中にあるベンチに座りながら、ジャミル先輩達を待っていると、不意にナジュマちゃんが口を開く。
ナジュマ「私、実はずっと前からAさんに会ってみたいな、って思ってたんです」
『んぇ？』
ナジュマ「ナイトレイブンカレッジの文化祭の時に、いろんな人がAさんの名前を言ってて……ナイトレイブンカレッジの有名な人なのかなって」
『え、そんなに？ 僕ってそんな有名人なの？』
イヴ「あながち間違っていないんじゃないかな……？」
私もだが、私とAちゃんはナイトレイブンカレッジのかつてない女子生徒であり、監督生だ。
私はそこまで目立った行動はしていないため、Aちゃんがよく話題に浮上することが多い。
主に、寮関係で。
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年9月7日 0時
