◇1370.加減 ページ21
イヴ.
あれから一旦落ち着き、リドル先輩はロールキャベツ作りを再開した。
玉ねぎとにんじんをみじん切りにし、それらと豚ひき肉を混ぜ合わせ、パン粉と牛乳、塩と黒胡椒を少々入れて粘り気が出るまでしっかりとこねていく。
イヴ「(……なんか)」
頑張って料理しているリドル先輩と彼を見守るAちゃんが、頑張る子供を見守る母親のそれに見える。
リドル先輩とAちゃんの組み合わせは見てるとなんだか微笑ましい。
「おっ、リドルくん！ 肉だねにいい感じの粘りが出たね。
いや〜、さっき泣き出した時はどうなるかと思ったけど、無事ここまで進められて良かった。
よし！ 次の、肉だねをキャベツで巻く作業に移ろうか」
リドル「いえ、まだ四等分した肉ダネの大きさが均等ではありません！ もう少し調整を……」
「大丈夫！ キャベツで巻けばそんなに気にならなくなるよ。それに、あまり時間をかけると食材の鮮度が落ちてしまう」
リドル「ううん。どうもモヤモヤするが……わかりました。シェフの指示に従います」
なんというか、相変わらずリドル先輩は細かい人だなぁ。
リドル先輩の作業工程を見たり、話を聞いたりしていると、どうやら彼は��適当��という工程がわからないようだ。
加減がわからないのだろう。
イヴ「(だから昨日のロールキャベツ、砂糖がたくさん入っていたのかな……)」
レシピ本には調味料を入れる時の分量はグラム指定だったり、少々だったり、適量だったり、と様々だが加減が理解できていないリドル先輩にとっては難しい指定なのだろう。
それを優しくフォローしてあげているシェフのおばけさんとAちゃんはさすがだ。
イヴ「(私だったら困惑しっぱなしだっただろう)」
もしかしたら私も一緒になってトラブルを起こしていたかもしれない。くわばらくわばら。
リドル「茹でておいたキャベツで肉だねを包む。レシピには��きつめに巻く��と書いてあったが……」
そう言ってレシピ通りに肉だねをキャベツで包もうと試みるリドル先輩だが、力加減を間違えたのか、外葉が破れてしまった。
ああ……力加減……
リドル「ああっ！ 力を入れすぎてキャベツが破けた！」
『あれま。それだと破れたところから肉だねが溢れちゃいますね』
「はい、予備のキャベツでやり直して」
リドル「くっ……！
次こそは完璧に巻いてみせる！」
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます。笑ってもらえて嬉しいです (2022年7月31日 22時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - ジグソーパズルwww (2022年7月31日 21時) (レス) @page48 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - パラディさん» すみません。何故かリンクできなくなっていましたね。リンクできるようになったので良かったらどうぞ (2021年4月17日 20時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
パラディ - 続きはいつ投稿されるでしょうか…？続きが気になってしまって…でも無理せず頑張って下さい! (2021年4月17日 20時) (レス) id: 4799a50d98 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年4月12日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
