◇1396.微苦笑 ページ47
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『……宝石だったんですよ』
シルバー「……」
『後々ジャミル先輩に聞いたら売ったら半年は難なく過ごせる程の金額になる宝石で……』
シルバー「……」
『なんでこんな高価な物渡したんだ、と本人に追及したら、
��色がお前の目の色だったから、気にいるかなって思って！��と、きっと本人には悪気がなかったんでしょう。眩しいくらいの笑顔を見せてくれました』
あの時、身体中から変な汗が滲んだことを僕は今でも覚えている。
宝石を落としそうにもなったし、この富豪の息子が将来どんな奴になるのかすら心配になった。
シルバー「その宝石はどうしたんだ？」
『僕の指紋を拭き取って丁重にカリムにお返ししました』
シルバー「……なんというか、大変だったな。
マレウス様には��圧力鍋��のことは言わないでおく」
『そうしてください。
……もう、何回も助けてもらっているんです。いろんな奴らから。 だから、何も要らないです。これ以上わがまま言ったら、この関係がすぐに終わっちゃいそうな気がするんです。
……もう、何も失いたくないんで』
シルバー「＿＿」
そう言って僕が笑えば、シルバー先輩は静かに目を張った。
何かの代償で、元の世界の両親や友達のこと、この世界に来る前の記憶が無くなったというのなら、僕はもうこれ以上何も失いたくない。
僕は、大切なものを作りすぎたのかもしれない
下を向きながら歩いていると、見慣れな柵が視界に入る。
顔を上げると、もうオンボロ寮は目の前だった。
『ここまでありがとうございました、シルバー先輩。僕達はもう参加出来ませんが、シルバー先輩は引き続き��マスターシェフ��を頑張ってください』
シルバー「ああ……」
『それじゃあ先輩、気をつけて帰ってくださいね』
出入り口の柵に手をかけた時だった。
シルバー「お前は健気だな」
『……そうですか？』
シルバー「セベクが言っていたことがわかった気がする」
『なんですか？ ��あいつは生意気だ��とか言ってたんですか？』
シルバー「よくわかったな」
『マジか』
シルバー「��あいつは生意気だ。しかし脆い。だから僕が守ってやらねば��と、意気込んでいた」
何故あいつはどこまでも上から目線なのだろうか。
シルバー「お前はたしかに強い。けど、どうしようもなく守りたくなってしまう。何故だろうな」
そう言ったシルバー先輩は、微苦笑を浮かべた。
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【アナザー】それぞれの裏話→←◇1395.金持ちからのおめぐみ
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冬雪(プロフ) - 瑠奈さん» コメントありがとうございます。笑ってもらえて嬉しいです (2022年7月31日 22時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - ジグソーパズルwww (2022年7月31日 21時) (レス) @page48 id: f6c02603c1 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - パラディさん» すみません。何故かリンクできなくなっていましたね。リンクできるようになったので良かったらどうぞ (2021年4月17日 20時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
パラディ - 続きはいつ投稿されるでしょうか…？続きが気になってしまって…でも無理せず頑張って下さい! (2021年4月17日 20時) (レス) id: 4799a50d98 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - アヤさん» コメントありがとうございます。頑張ります (2021年4月12日 22時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2021年2月24日 0時
