◆518.虫 ページ39
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カリム「よしっ!こんなもんか」
『何を召喚すんの?』
カリム「この前見かけてたんだが、網を取りに行った隙にどっかに逃げちまったみたいでな。場所も大体予想ついてるから出来ると思うぜ?」
『(網?)』
何を召喚するつもりなんだろうか
あまり期待しないでおこうと思いながらジャミル先輩と見守る。
カリムは呪文を唱えると、ボフンっ、と煙が包んだ刹那、湧いて出てきたのは、
大量の虫だった
『げっ!!!!』
地底奥深くに眠っていた温泉が湧き出すぐらい勢いがよく、料理で揚げ物を揚げている時に油がはねた時くらいビックリする。それぐらいヤバい。
カリム「あれ?」
アズール「カ、カリムさん!この虫は数100匹以上の群れで活動すると言われているフロック・パピヨンです!」
カリム「そうなのか?オレが見た時は数匹だったような気がするけどな」
『とりあえずなんとかしろ』
今のところそのフロック・パピヨンは上空でその透明感のある羽を羽ばたかせながら優雅に飛んでいるけれど、数100匹いるとなると目がとにかくチカチカする。
スカラビアの寮生達はどこかへ逃げ、アズールとカリムはパピヨンの大群を追いかけて何処かへ行ってしまった。
……おわかりであろうか
僕とジャミル先輩だけが庭に残されたのだ。
ジャミル「……」
『……ビックリしたねー、ジャミル先輩』
刹那、僕はジャミル先輩に腕を引かれ、気づいたら僕はジャミル先輩に抱き締められていた。
なんだこれ
突然の抱擁に諸々停止していると、
ジャミル「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
頭上からクソデカ溜息が聞こえた。
なんだ、僕の身体では満足出来ないってか。
するとジャミル先輩は僕から離れて「すまない」とフードを深く被った。なんなんだ。
『突然どうしたのさ』
ジャミル「なんでもない」
『いや、なんでもないで片付けられるほど僕の身体は安くな……あ、パピヨン』
ジャミル「!!!!!!!!!」
群れからはぐれたのか、1匹のパピヨンがジャミル先輩の頭上を飛んでいたため、指差すと、また僕に抱きつくジャミル先輩。
しかも今度は抱き締める力が強いため、首が若干締まっている。普通に苦しいから離れてほしい。
……ああ、でもこの反応は
『ジャミル先輩って虫、無理なんですか?』
ジャミル「……」
『(図星か)』
あんな綺麗な蝶でも拒否反応起こすということは、マジなんだろう。
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冬雪(プロフ) - ブルーサファイアさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ブルーサファイア(プロフ) - 507話の『お前の宴好き、なんとかならないのか?』のところなんですけどアズールのセリフになってますが喋り方からしてジャミルではないでしょうか? 何度も読み返してます!頑張ってください! (2020年10月4日 15時) (レス) id: bd3a10c6c4 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - moekaさん» ◆15◇のProfileで詳しく書いたつもりのものがありますのでそちらへお願いします (2020年8月25日 17時) (レス) id: cd043d76e1 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - それぞれの監督生の性格などが詳しく知りたいです。検討をお願いします。 (2020年8月25日 16時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 冬雪さん» ありがとうございます(*´▽`*) (2020年7月29日 10時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬雪 | 作成日時:2020年6月24日 0時