101.距離 ページ5
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「こんなクズにお前が手を汚す必要はない」
カラ松「え…」
「その時、私に言ってくれたおそ松さんの言葉です」
出来上がった卵焼きをお皿に盛り付ける。
ご飯も炊き上がって人数分よそっていると「それからおそ松を恩人と思えるようになったのか」と聞いてきた。
「そうですよ」
カラ松「あいつ、そんなことしてたんだな」
「だから私、今とても幸せなんです」
カラ松「………そうか」
カラ松さんは微笑んだ。
そして人数分の料理が出来上がって、お盆に乗せていると「girl」と呼ばれて私は少し眉をひそめた。
「あの、私にはAという名前が…」
カラ松「え?」
「girlじゃなくてAって呼んでもらいたいです」
カラ松「そ、そうか?」
「私は皆さんと仲良くなりたいんです」
カラ松さんの目を見て言えば、気恥ずかしそうにカラ松さんは少しだけ目を逸らした。
そして一息吐くと「じゃあ、今度からそう呼ぶな」といつもキリッとしている眉を下げて柔らかく笑ってくれた。
カラ松「A」
「はい?」
カラ松「いや、呼んでみただけだ」
「なんですかそれ」
少しおかしくて笑ってしまう。
少しカラ松さんとの距離が縮まったみたいで、私は心の中で今日の夜ご飯は唐揚げにしようと心に決める。
「さて、皆さんをリビングに呼びましょうか」
カラ松「そうだな」
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作者名:雨雪 花 | 作者ホームページ:http://HI.END.WOLD 1017
作成日時:2018年3月10日 0時