100.無色ノ復讐 ページ4
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「おそ松さんの怪我が完治して、彼が家を出て言った後、私は両親の敵討ちに出掛けたんです」
カラ松「……」
「この歳になるまで、私は両親が残した遺産を頼りに生きて、それから自分の力でお金を稼いでいました」
溶き卵をフライパンに流し込む。
カラ松さんの顔を少し見れば、手が止まり、信じられないというような顔をしていた。
「今やってる仕事を続けていれば、私の両親の命を奪ったマフィアの名前も私の耳に必然的に入ってくるのです」
カラ松「…girlも人を憎むんだな」
「私だって人間ですから」
出来た卵焼きを洗って拭いたまな板に移して数個に切って、もう一個卵焼きを作る。
グリルの蓋を開けて鮭を裏返しにして、グリルの蓋を閉じる。
あの時は本当に復讐で頭の中でがいっぱいだった。
「人を殺すのは嫌でした。でも、両親のためなら私はこの両手が赤い血で汚れてもよかったんです」
カラ松「………」
「でも、それを許してくれない人がいました」
カラ松「え…」
「私が殺したかった人は、おそ松さんが既に殺していました」
あの時の光景は鮮明に覚えてる。
部下の人達は睡眠薬で眠らせて、ナイフを片手に私が殺したかった人の部屋に入ればそこには赤く染まったおそ松さんがいた。
私はその時、その場に泣き崩れた。
「おそ松さんはその時『治療のお礼』とだけ言って笑いました」
カラ松「おそ松が…」
「私は自分で敵討ち出来なかったことより、おそ松さんに、他人にあんなことさせたのがとても悲しかったんです」
カラ松「girl…」
「その時は本当に、私は泣き崩れました」
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作者名:雨雪 花 | 作者ホームページ:http://HI.END.WOLD 1017
作成日時:2018年3月10日 0時