◆278.哀れな彼ら ページ40
アズール.
扉をノックし「失礼します」と扉を開けた。
奥の席で、学園長が座っていた。
クロウリー「アーシェングロットくんにリーチくん達、またこんな時間にお呼びしてすみませんね」
アズール「いえ」
ジェイド「学園長のお呼び出しを断るわけにはいきませんから」
フロイド「……」
フロイドは拗ねた顔でそっぽを向いた。
ジェイド「フロイドのことは気にせず。ただ眠いだけで、拗ねているだけですから」
クロウリー「そ、そうですか？なら、本題に入りましょうか」
学園長は立ち上がると、僕らに歩み寄る。
クロウリー「聞きたいのは、Aさんとイヴさんの事です」
アズール「彼女達の事ですか？」
クロウリー「君達は幼少期の彼女達に会ったことがあると小耳に挟みまして」
フロイド「……誰が言ってたんだよ」
クロウリー「秘密です」
フロイド「あ"？」
ジェイド「フロイド、落ち着きなさい」
ジェイドがフロイドを抑えながら後ろへ退がる。
クロウリー「どこでお会いしたんです？」
アズール「それは……」
ジェイド「覚えていません」
僕より先にジェイドがそう言った。
ジェイド「彼女達にお会いしたというだけで、僕達はそれ以上の事は覚えていません」
クロウリー「……そうですか」
学園長はそれ以上聞いてくることもなく「話は以上です」と、この話は終わった。
僕達は「失礼しました」と学園長室を後にした。
ジェイド「……あの、お願いがあるんです」
アズール「なんですか？」
ジェイド「彼女達の事を学園長に話さないでいてください」
ジェイドの言葉に、僕は目を張る。
アズール「……理由を伺っても？」
ジェイド「僕達が話した事で、もし学園長が彼女達を元の世界に戻す方法を見つけてしまったとしたら僕達はまた彼女達と離れ離れになってしまう」
フロイド「え、それはやだ〜……」
僕達は、本当にあの時の事を鮮明に覚えているわけではない。
それでも、些細な情報が彼女達との別れを意味するというのなら僕は……
アズール「わかりました。
今回は対価無しで、その願いを引き受けましょう」
ジェイド「……ありがとう。アズール」
やっと、会えたんだ。
簡単に手放すはずがない。
・
・
クロウリー「……まったく。
彼女達も毎回面倒な……個性的な人ばかりに好かれますねぇ。彼らも哀れだ。
……彼女達に��帰らない��という選択肢はないだろうに」
.
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冬雪(プロフ) - そよんさん» コメントありがとうございます。こういう嬉しいコメントがあるたんびに頬が緩みます (2020年5月9日 14時) (
レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
そよん(プロフ) - こういう素敵な作品に限って、途中で終わったりすることがあるから、読みながら「あーそろそろ続きないかも…」って思ってたら「やだ！まだある、まだある！！！？」って全私がうれしみの舞(？)笑。素敵な作品をありがとうございます！！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 4362c83576 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - クリきんとんさん» ご報告ありがとうございます。これからも頑張ります (2020年4月29日 4時) (レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
クリきんとん(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております！269話のフロイドくんの名前が1部フライドになってます、、、、気の所為だったらすみません！！これからも応援しています (2020年4月29日 1時) (レス) id: 57857ad3bd (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - らて。さん» ご報告ありがとうございます。楽しんでもらえて嬉しいです (2020年4月28日 21時) (レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年4月24日 1時
