◆276.その目の感情は ページ38
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『(なんだその目は……)』
アズール寮長は僕を、何か大切なものを見るような目で見る。
喜びか、慈愛か。
そんな目を、僕は知らない。
……いや、一度だけ
一度だけ、今のアズール寮長と似た表情を僕にした人物を僕は、知っている。
＿＿キミが優しいのは、ボクにだけかと思ったけど、本当は誰にでも優しいんだね
＿＿自惚れちゃったじゃん
『(リドル先輩に、似ているんだ)』
あの時は��友達としての嫉妬��なのかとずっと思っていた。
しかし、立場が友達ではないアズール寮長からそんな視線を送られてしまうと、リドル寮長のあの時の目も、本当に��友達として��だったのかと疑う。
『(考えろ。あの目はなんだ？あの言葉の意味も、本当はなんなんだろうか)』
……ダメだ
これ以上考えてしまうのは、なんだか嫌な気分だ。
アズール「と、言っても、貴女達は覚えていないんでしたね」
『あ……えと、……』
アズール「無理に思い出していただかなくて大丈夫ですよ。
正直、僕もAさんとイヴさんに出会ったことくらいしか覚えていないんです」
『僕と、イヴに……？』
アズール「あの海に行けた理由も、珊瑚の海に帰ってこれた理由も僕とジェイド達は覚えていません。
しかし、ジェイドのフロイドはよっぽど貴女達が気に入ったのか酷く執着していましたけどね」
『(う、嬉しくねぇ……)』
しかし、行けた理由も帰れた理由も覚えていないとなると、僕達がまだ元の世界に帰れそうにないな。
『……そっか』
アズール寮長が言う事が本当なのなら、僕達と似た境遇だ。
近々、校長先生に呼ばれそうだな。
グリム「A〜！」
『おわっ！？』
突然、グリムの声が聞こえたと思ったら足から登ってきて僕の肩に乗ってきた。
グリム「向こうにデケェ恐竜の骨みたいなのがあったんだゾ！」
『マジか』
イヴ「あれは��シードラゴン��っていう海のモンスターの骨ってジェイド先輩が言ってたよ」
フロイド「Aとアズールも早く来てよ〜。あっちに海の魔女の大釜のレプリカもあるよ」
デュース「なにっ。海にも大釜があるのか」
エース「海の中でどうやって温めんの？」
「行こ？Aちゃん」とイヴが僕に笑いかける。
『うん。アズール寮長も行こう』
アズール「……はい」
アズール寮長は微笑んだ。
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冬雪(プロフ) - そよんさん» コメントありがとうございます。こういう嬉しいコメントがあるたんびに頬が緩みます (2020年5月9日 14時) (
レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
そよん(プロフ) - こういう素敵な作品に限って、途中で終わったりすることがあるから、読みながら「あーそろそろ続きないかも…」って思ってたら「やだ！まだある、まだある！！！？」って全私がうれしみの舞(？)笑。素敵な作品をありがとうございます！！ (2020年5月9日 13時) (レス) id: 4362c83576 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - クリきんとんさん» ご報告ありがとうございます。これからも頑張ります (2020年4月29日 4時) (レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
クリきんとん(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております！269話のフロイドくんの名前が1部フライドになってます、、、、気の所為だったらすみません！！これからも応援しています (2020年4月29日 1時) (レス) id: 57857ad3bd (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - らて。さん» ご報告ありがとうございます。楽しんでもらえて嬉しいです (2020年4月28日 21時) (レス) id: 629036c9bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年4月24日 1時
