◆55.脱走 ページ10
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晴れない気分のまま、僕らは授業を受けた。
３時限目まで受けて、休み時間に廊下を歩いている時だった。
デュース「えーと、次の授業は……」
エース「なーんか、魔法学校つっても普通の学校とあんまり変わらないっていうか、想像より地味っつーか……魔法使えなくてもそこまで困んねーな」
『え？君達は楽しくないのか？』
エース「は？お前ら楽しいの？」
『そりゃそーだよ！錬金術の授業なんて、響きからして面白いに決まってるじゃないか！」
エース「うわっ、メッチャ目ぇキラキラしてる！」
イヴ「逆にこれで面白くないって言う方がおかしいよね」
デュース「イヴまで！？」
『実験室にあった顔のある植物ってマンドラゴラだよね！？あれって本当にあるんだね！』
イヴ「魔法学も面白かった！やっぱり属性の有利不利があるっていうのにも興味あるし、無属性の魔法もなんだかんだ興味がそそられるよね」
イヴと錬金術や魔法学のことで語り合う。
魔法学園なんて魔法が使えない僕らにとってどんな地獄だよ、とは思ったけれど、案外魔法がなくたって学ぶ内容は楽しい。
デュース「お前ら楽しんでるな」
イヴ「うんっ！楽しい！」
『うんっ！楽しい！』
エース「どんだけ純粋なんだよ……
グリムもそう思わね？……ん？」
そして僕達はやっと気づく。
グリムがいない
デュース「あっ、窓の外を見てみろ！
あの中庭を横切る毛玉は……」
デュースにつられて僕らは窓の外を見た。
たしかにそこにはグリムがいて、グリムはこっちに気づくとあっかんべー、と舌を出した。
イヴ「登校１日目にしてサボり〜！？」
『……エース、デュース』
エース「ん？」
『あの狸を捕まえるの手伝ってくれたら何か一つ、好きなの昼食の時に奢るよ』
イヴ「Aちゃん！？」
エース「マジ！？じゃあオレ、購買のチョコクロワッサン！」
デュース「俺はアイスカフェラテで手を打とう」
『交渉成立ってことで。
イヴは先に教室に戻ってて』
イヴ「う、うん」
僕は窓を開けると、そこから飛び降りた。
イヴ「Aちゃん！？」
『そんなに驚かなくても一階からだから大丈夫だよイヴ』
イヴ「あ、そういえばここ一階だったね……」
『エースとデュースは挟み討ち出来るように噴水前で待機』
エース「了解っ」
デュース「わかった」
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冬雪(プロフ) - サナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただければなと思うばかりです (2022年8月11日 20時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
サナ - やっと、2巻なんだゾ(このお話の)。楽しみ。 (2022年8月11日 18時) (レス) id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆずさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月13日 11時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ◆82話のところでトレイ先輩がトイレになっててめっちゃ笑いましたwwww (2020年10月13日 3時) (レス) id: 207a7fb508 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るなさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月31日 8時
