◆81.孤独な女王様 ページ36
イヴ.
イヴ「分刻み……？」
トレイ「食べるもの、着るもの、消耗品から友達まで、全部決められていた。それでもリドルは両親の期待に応えるために黙って全部をこなし、
１０歳にしてあのユニーク魔法を完成させた」
リドル先輩の過去は想像以上に重苦しいものだった
両親に胸焼けがするくらいに甘やかされて育てられた、と言われた方がよっぽど良かった。
そしたら、この苛立ちを、ぶつけられた。
エースくん達を理不尽な目に遭わせて、せっかくみんなで作ったマロンタルトを捨てろ、と言ったあの人に。
トレイ「リドルは、厳しいルールで縛ることが相手のためになると思っている。厳しいルールで縛られてこそ成長できると信じているんだ。かつて自分がそうだったように。そして、ルールを破るのは絶対的に悪だと思っている。だって……」
エース「ルール違反を肯定すれば、ルール違反によって造られた自分の全てを否定することになる……ってこと？」
トレイ「……お前達がリドルを横暴に思うのはわかる。リドルのやり方が正しくないことも。
だけど、俺には……
やっぱりあいつを叱ることが出来ない」
……こんなの、誰も幸せになれないじゃないか
ルール違反を肯定したらリドル先輩は壊れる。
リドル先輩の過去をしているからこそ、誰よりも近くにいたトレイ先輩は怒れない。
グリル「ふなぁ……」
デュース「寮長にそんな過去が……」
イヴ「……」
何も言えなかった。
��知らなかった��から何も言えなかった。
『じゃあ、トレイ先輩はリドル先輩が壊れていくのを傍観しているままでいいんだね』
トレイ「……」
エース「今の話を聞いて、よーくわかった。
リドル寮長があんななのは、アンタのせいだ」
トレイ「えっ！？」
デュース「えっ！？」
グリム「えっ！？」
イヴ「えっ！？」
予想していなかった言葉に私達は目を張った。
エースくんとAちゃんは２人で揃って腕を組んでトレイ先輩を見据えていた。
エース「リドル寮長が親を選べなかったのはしょうがない」
『それでも、トレイ先輩はリドル先輩の幼馴染で、親の次に隣にいたんですよね？なら、君は少なくともリドル先輩の親がリドル先輩にやってたことは間違ってるって昔から思ってたんですよね？』
トレイ「それは……」
『目を逸らすんじゃねぇよ！！』
Aちゃんの怒鳴りが図書館に響いた。
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冬雪(プロフ) - サナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただければなと思うばかりです (2022年8月11日 20時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
サナ - やっと、2巻なんだゾ(このお話の)。楽しみ。 (2022年8月11日 18時) (レス) id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆずさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月13日 11時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ◆82話のところでトレイ先輩がトイレになっててめっちゃ笑いましたwwww (2020年10月13日 3時) (レス) id: 207a7fb508 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るなさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月31日 8時
