◆80.人の急所は首らしい ページ35
トレイ.
マロンタルトのレシピ本を返すために図書室に来た時だった。
本を本棚に戻して、エース達のことを思い出して溜息を吐いた。
イヴ「溜息吐くと幸せが逃げるらしいですよ」
『人の急所って首らしいですね』
トレイ「！？」
温度差が激しい不穏な言葉が左右から聞こえ、振り返ると同じ顔が２つ。
Aとイヴがいた。
トレイ「お前らかよ……驚かすな」
『先輩っていつも無防備ですよね。襲われてもしりませんよ？』
トレイ「(普通逆じゃないのか)」
目の前の２人の方が無防備だ。
……いや、無防備じゃないな
２人揃って警棒らしき物を持っている時点で穏やかじゃない。
トレイ「お前らそれどっから持って来たんだよ」
イヴ「オンボロ寮に何故かあったんです」
『入るならまず形からってね』
トイレ「服装は制服のままじゃないか。
……お前達だけか？」
エース「オレ達もいますよ」
するとエースとデュースとグリムが本棚の角から出て来た。
トレイ「図書室で待ち伏せしていれば、マロンタルトのレシピ本を返しに来ると思ってました」
エース「先輩、オレたち、やっぱ寮長のやり方に納得いかねーんだけど」
トレイ「……だろうな」
わかりきっていた。
エース「アンタ実際アイツのことどう思ってんの？小さい頃からずっと、アイツにぺこぺこしてきたわけ？」
トレイ「！誰から聞いた」
デュース「チェーニャという奴からです」
トレイ「チェーニャ……そうか。あいつか」
グリム「つーかよぉ、リドルよりオマエのほうが年上なんだろ？ビシッと怒ってやればいいんだゾ」
トレイ「もちろん、必要があればそうするさ。
でも……俺にはあいつを叱ることなんか出来ない」
エース「なんで！」
トレイ「リドルの全ては、厳しいルールのもとで��造られた��ものだからだ」
デュース「え……」
俺の言葉にエース達は目を張った。
ただ、１人を除いては。
Aは動じることもせず、ただ黙って俺の話を聞いていた。
トレイ「あいつの両親は地元じゃ知らない人がいないほど有名な魔法医術士でね。特に母親は優秀な人で、リドルにも優秀であることを求めた。
だから、リドルは起きてから寝るまで、学習プログラムが分刻みで決まっているような生活をしていたんだ」
……思えば、なんで全部知っていたのに、
俺は何も言えなかったんだろうか
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冬雪(プロフ) - サナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただければなと思うばかりです (2022年8月11日 20時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
サナ - やっと、2巻なんだゾ(このお話の)。楽しみ。 (2022年8月11日 18時) (レス) id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆずさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月13日 11時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ◆82話のところでトレイ先輩がトイレになっててめっちゃ笑いましたwwww (2020年10月13日 3時) (レス) id: 207a7fb508 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るなさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月31日 8時
