◆67.スペードの懺悔 ページ22
デュース.
足りない。足りない。足りない。
デュース「(もう一発……)」
拳を振り上げた。
その時だった
『ストップ！』
デュース「！」
先輩と俺の間にAが入って俺を止める。
『殴りすぎ』
Aはジト目で俺にデコピンしてきた。
すると、何かがストン、と落ちて力が抜けていく。
「こ、こいつ、なんてマッドな野郎だ！６発どころじゃねーじゃねーか！嘘つきっ！」
「ヤベエ！逃げろ！鶏さんごめんなさーい！！」
『鶏？』
デュース「今度卵食う時は１００回謝ってから食え！
ダァホが！！」
『デュース、ステイ』
グリム「ひぇぇ〜！ワル語録どころじゃなかったんだゾ！」
イヴ「落ち着いてデュースくん！先輩達もう行っちゃったよ！」
A達の声が聞こえ、落ち着きを取り戻す。
そして、俺は後悔した。
デュース「や、やっちまった……。今度こそ、絶対、絶対優等生になってやろうと思ったのに……」
グリム「え？」
イヴ「デュースくん？」
デュース「俺はミドルスクールの頃、とにかく荒れてて……」
『突然の語り』
デュース「しょっちゅう学校サボって毎日ケンカに明け暮れていたんだ。先生の名前は呼び捨て、ワルい先輩とツルんでたし、髪の毛もメチャクチャ脱色してた。マジカルホイールで峠も攻めてたし……
魔法を使えないヤツに魔法でマウントを取ったりするどうしようもない不良だったんだ」
『お前がテンプレ不良だったのかよ！！』
グリム「今時なかなか見ないくらいテンプレなワルなんだゾ」
デュース「でも、ある夜……。俺に隠れて泣きながら婆ちゃんに電話してる母さんの姿を見ちまったんだ。自分の育てかたが悪かったんじゃないか、片親なのがよくなかったんじゃないかって。
そんなわけねぇのに。母さんは何も悪くねぇ。
悪いのは全部俺だ。
だから、名門ナイトレイブンカレッジから迎えの馬車が来た時、すげー喜んでくれた母さんを今度こそ泣かせないって決めた。
俺は今度こそ、母さんが自慢できる優等生になろうって決めたんだ。
……なのに、ちくしょう！」
イヴ「……」
額を抑えながらしゃがんだ。
殴った時の感触がまだ手に残っている。
苦しくて、辛いはずなのに、どうして俺はあの時、やけに興奮しまくって、快感と思ったのだろう。
すると、Aもしゃがんで俺の顔を覗き込みながら言った
『デュースって優等生だったの？』
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冬雪(プロフ) - サナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただければなと思うばかりです (2022年8月11日 20時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
サナ - やっと、2巻なんだゾ(このお話の)。楽しみ。 (2022年8月11日 18時) (レス) id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆずさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月13日 11時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ◆82話のところでトレイ先輩がトイレになっててめっちゃ笑いましたwwww (2020年10月13日 3時) (レス) id: 207a7fb508 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るなさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月31日 8時
