◆50.オンボロ寮で ページ5
エース.
大きな物音で目が覚めた。
誰だよ、こんな朝っぱらからドアをドンドンするのは……
上半身を起こした時に気づいたが、眠る前に掛けていなかったはずの布団があって驚く。
エース「(誰だ？イヴが掛けてくれたのか？)」
いや、意外とA……
エース「(ないか)」
そして鳴り止まないノック音とオレの頭に降り続けている埃。
エース「うげっ！このボロ屋敷、振動で埃が落ちてくる！」
オレは急いで玄関に向かい、扉を開ける。
デュース「やっぱりココに来てたのか」
エース「げっ、デュース……」
デュース「他の寮生から聞いたぞ。寮長のタルトを盗み食いして首輪を嵌められるとは……
お前、相当バカだな」
エース「うるっせ。お前にだけは言われたくねー！
……ところで、寮長、まだ怒ってた？」
デュース「そうでもない。すこしイライラしている様子で起床時間を守れなかった奴が……
３人ほど、お前と同じ目にあってたくらいだ」
エース「全然そうでもなくねぇじゃん！
めっちゃ怒ってるじゃん！」
『あれ、デュースも来たんだ』
ふと、Aの声が聞こえて振り返ると歯ブラシ片手に洗面所から顔を出していた。
デュース「ああ、おはようイヴ」
エース「は？」
『……僕、Aだけど』
デュース「え！？す、すまない！髪を下ろしているから見分けられなかった」
たしかにAは髪を下ろしているが、そんなに分別がつかないことなのだろうか。
雰囲気がAそのものだ。
『まあたしかにグリムに��イヴが２人いる！��って言われたことはあるけど、そんなに似てるかね』
デュース「似てる」
『まあ、でも、似てるって言われると何故か嬉しいけどね。
デュース、朝飯食ったん？』
デュース「いや、コイツを連れ戻そうとして急いでいたからまだなんだ」
『なら一緒に食べよ。イヴが作ってるから談話室で待っててよ』
そう言って洗面所に引っ込むA。
オレとデュースは談話室に向かい、ソファーに座ると、デュースはキョロキョロと辺りを見渡す。
エース「何キョロキョロしてんだよ」
デュース「いや、なんか……」
エース「？」
デュース「落ち着かない……」
エース「ボロいから？」
すると洗面所から帰ってきたAが『おい』とつっこむ。
デュース「いや、そういうわけではなくて……」
『ほら！デュースがボロくないって！』
エース「振動で埃が落ちる建物なんてボロい一択だろうが！」
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冬雪(プロフ) - サナさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただければなと思うばかりです (2022年8月11日 20時) (
レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
サナ - やっと、2巻なんだゾ(このお話の)。楽しみ。 (2022年8月11日 18時) (レス) id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - ゆずさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月13日 11時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ◆82話のところでトレイ先輩がトイレになっててめっちゃ笑いましたwwww (2020年10月13日 3時) (レス) id: 207a7fb508 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るなさん» ご報告ありがとうございます (2020年10月4日 18時) (レス) id: a124ecb095 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月31日 8時
