◆7.青い炎 ページ9
イヴ.
グリム「二人がかりなんて卑怯なんだゾ！」
「案外すばしっこいね」
「ここは追い込む形で行きましょうか」
赤髪の人と眼鏡の人が喋る狸を追い込んでいく。
イヴ「(でも、なんか……)」
『あいつ、可哀想だな』
イヴ「！」
『いたぶりながら、じゃなくて普通に捕まえる方法なんていくらでもあるだろうに』
イヴ「……」
Aちゃんの言う通りだ。
彼らが魔法使いなら攻撃魔法じゃなくて、動きを止める魔法とか眠らせる魔法とか、もっといろんな方法があるはず。
グラム「ふなっ！？い、行き止まり！？」
「やっと追い込みましたよ」
「さあ、覚悟はいいかい？」
グリム「……ふな"〜！！」
「！？」
「！？」
二人に追い込まれた喋る狸は最後の足掻きかのように青い炎を砲弾のように吐き出す。
しかしそれは目前の二人に命中するわけでも、校長先生に命中するんけでもなく、
私達の方に飛んでくる
『危ない』
イヴ「え……」
Aちゃんを連れて逃げようとした刹那、何故か彼女は私を押し退けて自分から青い炎に命中した。
……違う
自分からじゃない。私の代わりに命中したんだ。
イヴ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ！！！！」
クロウリー「なっ……！」
イヴ「Aちゃん！！Aちゃん！！！」
クロウリー「いけません！貴女まで焼けますよ！」
Aちゃんに手を伸ばそうとしたけど、校長先生に抑えられ、手が届くことはなかった。
さっきまで笑い合ってた子が、
さっきまで私を守っていてくれた子が、
今、青い炎に体を焼かれている。
悪い夢だ。これは悪い夢だ。
クロウリー「誰かいますぐ彼女に水の魔法を！」
青い炎の中で、Aちゃんらしき影が膝をつく。
イヴ「Aちゃ……」
涙で視界が滲む。
イヴ「(こんなのってないよ……)」
刹那、
『なにすんじゃボケェェェエエエ！！！』
グリム「ふな"ぁぁああ！？」
聞き覚えのある声と、痛々しい音が聞こえた。
顔を上げると所々青い炎を纏ったAちゃんと、その場に倒れている喋る狸の姿がそこにあった。
イヴ「……Aちゃん？」
『はいはーい、Aちゃんですよー』
イヴ「っ……Aちゃん！！」
校長先生を押し退け、私はAちゃんに抱き着き、彼女が生きているんだということを実感した。
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冬雪(プロフ) - コメントありがとうございます。どうぞ次にお進みくださいな (7月15日 10時) (
レス) @page50 id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
さ - 嫌いに!!なるわけ!!ないだろ!!寮長!!続き読んできます！！！ (7月15日 8時) (レス) @page50 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - るきあさん» コメントありがとうございます。見つけてくれてありがとうございます (2022年4月23日 17時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
るきあ(プロフ) - やっと見つけた！！！！！！！！！！！！！！！！！機械壊れて占ツク入れてから数ヶ月探してたけど見つかりました…応援してます…一から読み直します‼️ (2022年4月23日 17時) (レス) id: e2065bbc2b (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - はわわさん» コメントありがとうございます。ハマっていただけて嬉しいです。自分もここまでくるとは思いませんでした (2022年4月13日 0時) (レス) id: 789871a44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年3月23日 0時
