153.扇風機 ページ15
骨喰.
『あ〜』
骨喰「……」
主の部屋から変な声が聞こえた。
震えたような声に少し気になって覗いてみると先日買った扇風機という物の前で声を出す主がいた。
骨喰「主」
『あ、骨喰さん！ただいま帰りました』
骨喰「おかえり、なさい」
兄弟に教えてもらった��ただいま��に対しての��おかえり��という言葉は何故だか気恥ずかしい。
季節は夏になったことからか、主がいつも着ている制服の袖は短くなって涼しげだ。
骨喰「先程の奇声は主か？」
『奇声！？そんなに変でした！？』
骨喰「震えたような声をしていた」
『あぁ、なら扇風機のせいですね』
骨喰「？」
『こうやって、扇風機の前であー、って声を出すと風で振動して震えたような声を出すんです。私達の時代では面白がってやる遊びみたいなものですね』
骨喰「兄弟の面白がってやる馬糞投げと同じか？」
『それは違います即刻やめさせてください』
骨喰「了解した」
『それより骨喰くんもどうですか？涼しいですよ』
そう言われ手招きされたので主の横に座って扇風機の風に当たる。外の自然の風とは違い、とても涼しく感じる。
骨喰「……いいな、これ」
『本当ですか？あ、これ左右に首振りするんです』
主が何かのすいっちを押すと扇風機が生き物のように左右に首を振るように動く。
骨喰「おお……！」
『ビックリしましたか？』
骨喰「主が住む時代の機械は凄いな」
『エアコンでも良かったんですけど私エアコンの風に当たると駄目なんですよね。お腹すぐ痛くなるんです』
骨喰「体質というやつか？」
『そうですね。だから微弱でも涼しく感じる扇風機じゃないと駄目なんですよ』
「私ほんと弱いですよねー」と少し動いた主の腕が俺の腕に触れ、驚いてバッ、と主から離れる。
『？どうしました？』
骨喰「いや……」
主の肌がいつもよりしっとりしていて驚いた。
それによく見ると涼んでいても主の頬に伝う汗。
それが何故だか綺麗に見えて、いつもと違う主に心臓が激しく動いてるように感じた。
骨喰「……」
『……あ！も、もしかして汗臭かったですか！？』
骨喰「え、いや、そういうわけでは……」
『すみませんすみませんすみません！すぐお風呂入ってきます！！』
そう言って部屋を出て行ってしまった主。
骨喰「……」
少し驚いただけ、と言おうとしたんだが……
骨喰「(動揺しすぎて言えなかった)」
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あむ - 私が読んでる夢小説の中で一番好きです‼︎更新楽しみに待ってます‼︎ (2022年5月29日 8時) (
レス) id: 349116d89c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)だれ落ちになるんでしょうか？ (2021年10月25日 16時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - 一番最初から読んできて、この物語はずっと私の癒しになっています！更新頑張って下さい、応援しています！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年2月4日 3時
