142.どうして、 ページ4
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『(そういえば鍛刀終わったかな)』
今朝早く目を覚ましてしまった私は鍛刀し、時間は三時間と表示されていた。
そろそろ終わった筈だから陸奥守さんを起こしたら見に行こうと思いながら陸奥守さんの部屋に辿り着いた。
『陸奥守さん、起きてますか？』
……
『陸奥守さん？』
呼びかけても一向に返事が返されないため、そっと障子を開け、覗き込むと此方に背を向けて布団を深くかけ、陸奥守さんが規則正しいイビキをかいて眠っていた。
元は刀だが、お酒を飲み、イビキをかいて眠っている辺り、もうそれは刀ではなかった。
れっきとした人間。
それがとても不思議で仕方ない。
『……陸奥守さん』
部屋の中に入って彼に近寄った刹那、
『わっ』
突然腕を引かれ、床に倒される。
そして、黒い物体が向けられる。
『……へ』
その黒い物体は、陸奥守さんがいつも持っている拳銃だった。
生まれて初めて銃口を向けられた私は、声すら出せずに、ただ辛そうな顔をする陸奥守さんを見上げていた。
『陸奥守、さん……？』
陸奥守「……おまんが……」
『え……？』
陸奥守「おまんが、あのお人を……っ！！！」
陸奥守さんの指が引き金にかけた刹那、大きな刀が私達の間を横切って壁に刺さった。
普通の刀とは違う大きな刀。
『(誰……)』
「これ、助けてよかった？」
『！』
障子の方に目を向けると、そこには短刀の子と変わらない背丈の小さい男の子が立っていた。
陸奥守「……っ……わ、わしは……一体……」
『陸奥守さん……』
陸奥守「あ、主……わしは……わしは……っ」
すると陸奥守さんは部屋から走って出て行ってしまった。
『陸奥守さん！』
「今は一人にさせた方がいいんじゃない？」
『で、でも……』
「さっきは偶々俺が通りかかったから助かったかもしれないけど相手は西洋武器を持ってるからやめといた方がいいよ。お前人間でしょ？すぐ死んじゃうかもしれないよ」
『っ……』
「せっかく新しい主人に会えたのにすぐはい、さようならなんて悲しいからね」
『新しい主人って……』
「お前が俺を鍛刀したんでしょ」
そして男の子は壁に刺さった刀を鞘にしまう。
自分より大きな刀を背負うと、男の子は私の顔を覗き込む。
蛍丸「蛍丸だよ。こんななりだけど大太刀。
よろしくね、俺の新しい主さん」
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あむ - 私が読んでる夢小説の中で一番好きです‼︎更新楽しみに待ってます‼︎ (2022年5月29日 8時) (
レス) id: 349116d89c (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみに待ってます(●´▽`●)だれ落ちになるんでしょうか？ (2021年10月25日 16時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - 一番最初から読んできて、この物語はずっと私の癒しになっています！更新頑張って下さい、応援しています！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2020年2月4日 3時
