【刀剣乱舞】妖物語 (ページ15)

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108.保護者ページ15

山姥切.

「……ああ、わかった」

受話器を置くと傍で聞いていた乱藤四郎が「誰？」と首を傾げて問いかけた。

「あいつが通っている学校からだ」

「学校？主さんに何かあったの？」

「倒れたらしい」

「ええ！？」

「発熱だそうだ」

「お熱！？」

乱藤四郎の声が耳に届いたのか近くにいた刀剣男士達が心配したような表情を浮かべて集まる。

何故か天井から現れた奴がいたが気にしない。

「早退させるから迎えに来てくれ、だそうだ」

「なんで本丸に繋がったの？」

「あいつが教えたらしい。実家には誰もいないとのことだ」

困惑した表情を浮かべる乱藤四郎。

すると部屋から顔を覗かせた薬研藤四郎が俺の名を呼ぶ。

「んで？誰を迎えに行かせんだ？」

「見た目が目立たない奴に行ってもらう」

「見た目が目立たない奴、ねぇ……」

その場にいた奴らがそれぞれ考える。

すると庭で掃き掃除をしていた大和守と加州が俺達の様子に気になったのかこちらに歩み寄って来た。

「どうしたの？」

「主さん学校でお熱出しちゃったらしいからお迎えに行かないといけないんだけど誰を迎えに行かせたらいいのやら、って迷ってたところだよ」

「は？熱出したの？」

「迎えに行けばいいの？なら僕が行こうか？」

「大和守は髪が長いから駄目だ」

「駄目なの？」

「主の時代の男は長髪は目立つらしい」

そもそも刀剣男士の中から迎えに行かせる、というのは難儀だ。髪が長いのが男士が殆どであり、服も和装が多いため誰を行かせたらいいのだろうか。

勿論俺は論外だ。写しの俺が出向けばあいつに恥をかかせることになるので敢えて名乗り出ない。

「あ、じゃあ俺っちが行こうか？」

「保護者として行くのだから見た目が子供の奴らが迎えに行っても周りの大人達が戸惑うだけだろ」

「大将くらいならおんぶ出来るぜ？」

「そういう問題じゃない」

出来ればあいつと話が出来ている刀剣男士に行かせたいが黒髪の刀剣男士はいるにはいるが見た目的に論外。服が洋装の奴も髪が長いやらで論外。

ここは兄弟である堀川に行ってもらおうかと思っていると背後で床が軋む音が聞こえたため振り返る。

「あれ、みんな集まってどうしたの？」

「何かお困り事ですか？」

収穫されたばかりの野菜を持った前田藤四郎と燭台切がいた。

「……あ」

「？」

黒髪、私服も普通、短髪。

……こいつでいいか

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