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107.病熱 ページ14

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スマホの着信音が鳴った。

体育の授業中、出番まで待機していた私はコッソリ体育館から抜け出して体育館裏に小走りで向かう。

ポケットから取り出してLINEを開くとお母さんからメールが届いていたので既読を付ける。


〈お父さんの出張先に行くことになりました。何日か帰ってこれなくなるけれど大丈夫?Aもついて来る?〉


内容はそのようなものだった。

私のお父さんはよく出張で家に居ないことが大抵である。しかしお母さんが行くということはよっぽどの事なのだろう。たしか今回の出張先は外国だった筈なのでついて行くからにはこの高校を転校することになる。

これ以上を自分の環境を変えたくない私は両親には悪いと思うが断ることにした。


〈大丈夫。働き先でなんとかなると思うから心配はいらないよ。気をつけて行ってきてね〉


そう返信して、スマホをポケットにしまう。


「Aー」

『!』

「次Aのチームだよー」


幼馴染に呼ばれた私はすぐに体育館に戻る。


『知らせてくれてありがと』

「それは別にいいけど……アンタ、大丈夫?」

『何が?』

「少しほっぺた赤いよ?」

『なんか暑くは感じるけど大丈夫だよ』


前田くんのことがあって、どうしたらいいのか考えたけれど答えが見つからないまま朝を迎えた。

藤四郎兄弟は何かと難しい。抱えている事情が解決するには難しいことばかりで手を差し伸べることが出来ない。


「Aパスっ!」

『!』


バスケのボールが飛んでくる。

私は受け取り、ドリブルしながら相手チームを避けて、私より身長が高い人達が行く手を阻むがゴールに入れようとジャンプしようとした時だった。


グニャッ


視界が捻れる。

その拍子にバランスを崩した私はその場に崩れ落ちてしまう。


「A!?」

「大丈夫?」


クラスメイトの人達の呼びかける声がちゃんと聴き取れない。


……身体に、力が入らない


転がっていくボールを呆然と眺めていると幼馴染が私の額に手を当てて驚いた表情をする。


「Aアンタ熱凄いよ!?」

『……ねつ?』

「ほら、保健室行こ?」


朝から感じるこの怠さは熱のせいだったのか、と自覚すると自然と涙が出てくる。


『……ごめん……』

「あーほら泣かない泣かない。誰も悪くないから」


幼馴染に手を引かれ、体育館を後にする。


「熱出すたんびに泣くのは相変わらずだよね〜」


幼馴染の栞は呑気にそう言った。


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戦国娘(プロフ) - 作品楽しみに読んでます!あと、一つ報告が.....一護ではなく一期一振というので正しくは一期です!! (2020年1月20日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬雪 | 作成日時:2019年6月15日 0時

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