4.襲撃 ページ6
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「危ないっ！」
私が動かないでいると突然加州さんが前に出て少年の刃物を自分が持っていた刃物で受け止めた。
直接脳に届くような金属音が私の耳を刺激した。
『(な、なにこれ……)』
加州さんと少年との体格差は確かにあるのに、刃物の大きさだって加州さんの方が有利な筈なのに何故あんなにも二人は互角に戦えているのだろうか。
何かの撮影にしては出来過ぎている。
『……夢？』
「夢じゃないぜ」
振り向くと加州さんと戦っている少年と似たような服装をした短髪の少年が立っていた。
「なんだ？今回の審神者はへんてこりんな服着てんだな」
『へ、へんてこりん……』
「それともお前が巷で噂の違う時代から来た審神者なのか？」
『そ、そんなのわかんないよ……』
へんてこりんと言われても普通の制服だし、審神者なんて言葉も聞いたことがない。
よく見ると少年の片手には短い刃物があり私の中で混乱と一緒に恐怖が生まれた。怖い。怖くて手足が思うように動かない。
「わからないってことはねぇだろ。なに殺しはしないぜ？ただ少し痛みつけて忘れられないような恐怖を植え付けて二度とこの本丸に立ち入らないようにするだけなんだからなっ！」
『！！』
刹那、少年の持っていた刃物が私の肩を振り上げるように斬りつけたのです。
『ああぁぁぁ……っ！』
痛い。熱い。痛い。熱い。
こんなの夢じゃない。この肩の焼けるような痛みも少年から漂う鋭い殺気も溢れ出て尽きない恐怖も、全て本物で現実で。
＿＿＿どうしようもないくらいリアルだった
「いいぞ厚！」
「おうよっ！」
呼吸が乱れ過ぎて整えられない。それ程怖くて痛いのだ。
顔を上げると短髪の少年の刃先が向けられていた
『い、いや……』
恐怖
「だから殺さねぇって言ってんだろ」
恐慌
近づいてくる短髪の少年がただただ怖かった。
少しでも抵抗しないと殺される。殺される前に私は抵抗しなければいけない。
「逃げて!A!!」
加州さんの言葉で何故か短髪の少年は動きを止めて信じられないというように私を凝視する。
「A……？」
私はその隙を狙って短髪の少年の胴体に手を当てて力を込めると一気に発光し、その衝撃で短髪の少年が吹き飛んだ。
「厚！！」
加州さんと戦っていた少年は短髪の少年の元に駆け寄って行くのを呆然と見ていた。
そして突然意識が遠のいて私の目の前が真っ暗になった。
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
