47.初期刀 ページ49
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『……初期刀、ですか？』
「はいっ」
突然こんのすけくんに呼ばれた私は山姥切さんと政府に赴くと五振りの刀が並ばれた部屋に連れてこられ初めての刀を一振り選べ、と言われる。
某ボールの中で過ごすモンスターが頭によぎったが若干似たようなものだろう。
「……今更だろ」
『え、そうなんですか？』
「通常ならば審神者さまには本丸にお送りする前に初期刀を選んでもらうのですが貴女様の本丸はいろいろと事情を抱えておられましたので」
『あー……』
「しかし刀剣男士の様子も落ち着いてきたようですし審神者さまも慣れてこられたようなので、貴女様にはこれから初期刀を選んでいただきます」
たしかに私の本丸は通常と違うのだろう。殆どの刀剣男士達が前代である祖父を慕い、忘れられないでいる。そして政府から派遣された審神者達に恐怖を植え付けられその芽はいつまでも摘めないでいる。
今でも殆ど刀剣男士と親睦を深められないでいる。そんな時に私が新しい刀を選んで連れて帰った時に気に障ったりしないだろうか、と心配してしまう。
『でも……』
「……何を躊躇っているんだ」
『山姥切さん……』
「審神者なら誰しも通る道だ。それに加州が楽しみにしていた」
『加州さんが？』
「��あの子の選んできた刀が楽しみ��だとか��あの子が選んだ刀はきっと良い刀に違いない��とな」
加州さんの言葉にビックリした半分、私は嬉しいと思えた。
私を期待してくれている人がいる。私は加州さんの期待を裏切るわけにはいかないため、正面を向いて飾られている五振りの刀をじっと見据えた。
「いいですか審神者さま、左側から��陸奥守吉行��に��歌仙兼定��に��蜂須賀虎徹��。それから��山姥切国広��と��加州清光��の五振りとなります」
『……山姥切さんと加州さんもいるんですね』
「どうぞ気に入った刀を手に入れてください」
私は一歩前に出る。
私の選択で私の初期刀が決まる。どうしよう、本当に某ボールの中で過ごすモンスターが頭によぎってイメージが拭えきれないでいる。ていうか、五振りではなく三振りの方が都合が良いのではないのだろうか。
『こ、これは迷いますね……』
「早く決めろ」
『(山姥切さんと加州さんはもういるので選ばないのは決まっているんだけどなぁ……)』
考えて、考えて。
そして私は決めた
「____この方にします」
私はその刀に触れた。
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
