35.無知な審神者 ページ37
.
大広間。
何故かこの広い部屋には私の隣には加州さんがいて真正面には三日月さんが居て少々落ち着かないけれど真面目になろう。きっと三日月さんも真剣な筈だよね。こういう空気は苦手だけれど頑張ろうじゃないですか。
「まず、お主は何者か解っているか？」
『はい。私はこの本丸の前代の孫娘です』
「先日に会った時より自信を持っているようだな」
『……だって思い出しちゃいましたから』
すると加州さんがハッとしたように私を凝視する。私は頬をかいて苦笑いを浮かべながら「つい先程ですけど」と言えば泣きそうな顔をする加州さん。
『大丈夫です。嘘ではありません。ちゃんと祖父のことを思い出しましたから』
「……アンタ」
『忘れたくなかった人、忘れちゃダメな人、そして私の大事な人で祖母の大事な人で家族の大事な人でした。でも祖父は貴方達にとっても大切な人だったんですね』
忘れてごめんなさい、と謝ろうとした時、加州さんが私の手を握ってきて「ありがとう」と笑った。
「審神者」
『は、はい！』
「お主はここの主になりたいか？」
『……なりたいです』
「何故だ？天下五剣がいるからか？レア刀がいるからか？短刀がいるからか？」
『……あの』
「ん？」
『��てんがごけん��ってなんですか？』
「……は？」
『刀にレアがあるんですか？』
すると突然障子と一緒に鶴丸さんが倒れてきた。何事かと思い三日月さんの方を見ると目を張っていたので混乱していると「君は馬鹿なのか！？」と突然鶴丸さんにディスられた。
……何故馬鹿と言われたのだろう
「天下五剣というのは日本の名刀だ！三日月なんて最も美しいと評された刀なんだぞ！？」
『え、そうなんですか？』
「レア刀というのは入手困難な刀ということだ！」
『なんだかゲームみたいですね』
「そんな事も知らないのか！？」
『知らなきゃダメだったんですか！？』
「審神者ならそれぐらいの知識を持て！」
鶴丸さんに早口で説明され早口で説教を受けてしまった。
外にいる刀剣男士のみんなをチラ見すれば何故か薬研くんがお腹を抱えて大爆笑していた。まさか知らないと恥ずかしい事だったとは知らず知識不足の自分を今にでも戒めたい気分だ。
「それくらいにしておけ鶴丸」
「……すまん」
「審神者は何も知らないんだな」
『すみません興味が無かったもので……』
「刀に興味がないと言ったのは前の主以来だぞ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
