11.無意識のチカラ ページ13
.
＿＿＿＿それは一瞬の出来事でした
扉を開けた瞬間、刃物を加えた骸骨のようなものが私の目の前に迫ってきたのです。
「危ねぇ！！」
刹那、厚くんに押し退けられた私はバランスを崩し石畳に倒れてしまうけれど厚くんが骸骨に吹き飛ばされてしまう。
『……っ厚くん！』
「あいつ今日吹き飛ばされてばっかだなぁ」
『言ってる場合ですか！早く助けないとっ！』
「駄目ですよ、あいつの狙いは貴女なんですから」
鯰尾くんに止められ私は何も出来ないままでいると不意に加州さんに腕を引かれる。
「ちょっと家の様子も見てくるから」
「わっかりましたー！こっちは俺達に任せてくださいね」
加州さんと薬研くんと家の中に入ろうとした間際に鯰尾くんが鞘から刃物を取り出したのがわかった。やっと私は刀剣男士とは何かをハッキリ理解出来たような気がしたのです。
元は刀だった刀達が今は人間の姿になって戦っているのなら今私は何に守られているのだろう。
繋がれた加州さんの手が酷く冷たくて��人間��とはとても言い難いものだったのです。
「加州の旦那」
「何」
「こっちの方から嫌な空気を感じるぜ」
『(そっちは……)』
リビング
母がよく出入りする部屋で家族団欒の場所。
もう外は暗い。母のことだからもうこの時間には夕飯の支度をしていた筈だろう。
壁に背を預け、リビングの方を覗き込むと声を上げてしまいそうになりそうだった。そこには先程の骸骨の他に加州さんが持っている刀と同じサイズのを待っているものもいたのです。
『(な、なにこれ……)』
「短刀が二匹、打刀が一匹、脇差が三匹だな」
「これは一度本丸に戻った方がいいかもね」
加州さんがそう言った時、私は見逃さなかった。
＿＿窓際に倒れている母を骸骨が今にも加えている刃物で刺そうとしているのを
『やめて！！』
「ちょっ、アンタ！」
加州さんの手を振り払って母の元に駆け寄る。
その時私は無意識でした。骸骨を母から離れさせようと思い手に違和感を感じながらが骸骨に触れた時だった。
昼間と同じように光が溢れたと思ったら骸骨が壁に叩きつけられるように吹き飛ばされたのです。
『……え？』
自分の掌を凝視する。
昼間も今も無意識だったけど、やはり私はどうしようもなく人間ではなかったというわけだ。
「何してるの！？早くここから逃げるよ！」
『で、でも……お母さんが……』
顔を上げた時、加州さんの後ろに祖母が立っていたのです。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
