15.暗闇 ページ17
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真っ暗だった。
右も左も分からないくらい。
それでもはっきり目の前の敵と刀剣男士のみんなの姿が見える。
「どうやらあの疫病神、婆さんの記憶をも繋がっているな」
『どういうこと？薬研くん』
「神域に連れて行かれるということは俺達は今神隠しに遭っているということなんだ。神隠しは神隠ししたい相手の真名を知らねぇといけないんだ」
『な、なるほど……』
家族なのだからお婆ちゃんはたしかに私の名前を知っている。でもだとするとお婆ちゃんは刀剣男士のみんなの名前を知っていることになる。
『(……まさか……)』
〈ケケケ、流石勘が鋭イなぁ〉
『(みんなの前の主はお婆ちゃん……？)』
だとしたらみんなの名前を知っているという点は納得する。
だとしたら彼らは前の主であるお婆ちゃんを斬らなくてはいけないという現実に対面しているということになる。私は現実的ではないのに現実として受け止めなければいけないという点はどうしても腑に落ちないのでした。
すると加州さんが前に出た
「アンタは人に嫌われた神様でしょ？なんで人間に魅入って取り憑いているのさ」
〈我はこノ老人の願いを叶エタだけだ〉
「その願いって何さ」
〈そレヲ教えて何にナる〉
『ならせめてお婆ちゃんと話させてください！』
〈……断ル〉
その刹那、お婆ちゃんの背後から伸びてきた黒い手が瞬時に私に伸びてきて私の首を鷲掴む。
加州さんがその手を斬るが次々とその手は溢れ刀剣のみんなが一斉に飛びかかる。物体を斬る音が意外にも鮮明でみんなが戦う姿が目を奪われる程綺麗で目を背けられない。
〈邪魔ダ！刀剣男士！！〉
突然足元に違和感を覚える。見れば地面から伸びた黒い手が私の足に絡みついていて抵抗しても離れないのです。顔を上げれば他のみんなも足どころか腕すらも黒い手が絡みついていて動けないでいた。
〈お前ラ、ココが我ノ神域だトいうことを忘れテいなイカ？〉
『え……』
「まぁ、あれだ。ここが疫病神の神域なら疫病神の自由でなんでもし放題ってわけだ」
『そんなのありですか！？』
薬研くんの言っていることが本当なら勝つ術なんてどこにも無いということになってしまう。
お婆ちゃんの方を見れば不敵に不気味に笑っていてきっと頭の中ではどう殺してやろうかとか思っているだろう。
自然に手に力が入る
溢れそうになる涙を必死に堪えて私は考えた。
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ぬっこ(プロフ) - 胸から刀を出すと言う表現がとても素敵です。続き楽しみにしてます(^-^) (2020年1月15日 21時) (
レス) id: da10b377d5 (このIDを非表示/違反報告)
冬雪(プロフ) - 紫鶯さん» ありがとうございます。続きをお楽しみください。 (2019年5月16日 20時) (レス) id: 13dcdbbff5 (このIDを非表示/違反報告)
紫鶯 - とっても面白かったです！ (2019年5月16日 13時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年4月29日 9時
