84.薄イ欲望 ページ38
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リ『貴女は……人間でしょう?
人間を…食べるモノを人間は怖がるじゃない』
貴「………んー…………
貴方達の好意ってそういうものなんでしょう?
生き物が息をするみたいに
貴方達は誰かを好きになりますよね
怖いけど怖くない
……って言えば、いいんでしょうか?
ただの自己満足なんですが…」
私は笑って見せた。
リャナンさんはまだ目に涙を溜めていた。
貴「…私は、痛いのも苦しいのも嫌です。
怖い人も怒鳴る人も嫌いです。
……だから
私は私に笑ってくれた人達には
私のために
笑ったままでいてほしいんです」
そんな時、薔薇の匂いがした。
リャナンさんが私の頬を手で包んで
額をくっつけてきた。
リ『人間って……バカよ
そして
ワガママだわ……』
貴「……人間が欲する事は良くあります。
人は必ず、『欲望』をもって生きる。
私の今の欲は
ただ、あなた達が話せるようになれば
いいなって……そんな欲望です」
リャナンさんは、微笑して
「薄い欲望」って笑った。
小さい頃からそうだった…私は
贅沢というものが嫌だった。
貴「私は……小さい頃から
欲望が薄いんです……でもそれでも
私はいいんです。
私は今、恵まれてますから」
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作者名:雨雪 花 | 作者ホームページ:http://HI.END.WOLD 1017
作成日時:2016年7月31日 21時