■65.忘却 ページ16
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『(さっき自主練しに行くって言ってたからグラウンドにいる筈)』
グラウンドに向けて小走りで駆ける。
なんだか、変な感じだ
私が誰かに動かされているなんて。
これは催眠術じゃなくて、轟くんに早く伝えたいがために私が私を追い越すように私の足は加速する。
胸が何故かドキドキする。
頭の中が何故か轟くんでいっぱいだ。
『(どうして……？)』
心操「おい」
『！』
刹那、呼び止められ足が止まる。
振り返るとそこには心操くんがいた。
『心操くん』
心操「何急いでんだ？」
『すみません私、轟くんに会いに行かないといけないんです』
心操「轟？」
『轟くんに伝えないといけないことがあるんです』
心操「……」
「なので失礼します」と踵を返そうとした時「待ってくれよ」と心操くんが私の腕を掴むため、
『なんですか……っ』
応答した刹那、心臓が握り締められたような感覚に陥る。
身体が動かない。
声が出ない。
『(なんで……)』
私は何故か、心操くんに洗脳されている。
��待て��と言われたから待て状態になった私の身体は硬直し、身動きが取れない状態だ。
そして目の前には酷く辛そうな顔をする心操くん。
何故彼がそんな表情をするのか、私には理解出来ないでいると突然腕を引かれ、彼に抱き締められる。
心操「……ごめん」
背中に回された彼の腕がキツく締めて離さない。
私は早く、轟くんのところへ行かなくてはいけないのに。
そして、私の頭の中で嫌な予感が過る。
虚しくも、その予感は的中する。
心操「……��忘れろ��」
『(待って心操くん)』
心操「��その轟とかいう奴に伝えたかったことを、全部��)」
『(嫌だ)』
心操「��忘れろ��」
『………………………………………………はい』
気がつくと私は心操くんの腕の中にいた。
解放されると心操くんは「背中に虫ついてた」と彼は言う。
『そうだったんですね。ありがとうございます』
心操「それでお前はなんでさっき急いでたんだ？」
『え……』
急いでた？
たしか私は常闇くんに叱られて……それから、それから……
私は首を傾げた。
『……なんで急いでたんでしょう』
心操「ボケてたの？」
『そうかもしれませんね。ボケてたから小走りをするという奇行に走ったのかもしれませんね』
大事なことだったような気がするけど、忘れてしまった。
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夢桜(プロフ) - 夢を見たのは緑谷君かっ！最初から見させて頂いてます！とても面白いです！無理せず頑張って下さい！夢主ちゃんの性格好きだなぁ… (2019年11月17日 12時) (
レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
カロメG - この主人公の子の性格とても好きです！推しのホークスも出て来てて嬉しいです！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: e6da68bb26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬雪
| 作成日時：2019年9月21日 15時
