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梅野は、Aがほっぺたをつついていた手をつかんでやめさせた。そして、中々手を離さない。
かと思えば梅野はそのまま手を柔らかく握ってきた。
(何だ？)
Aはどぎまぎしながらも、手を離さないで欲しいので黙ることにした。
｢すごいね」
梅野はそう言って、指の腹でAの手のひらをゆっくりと撫でた。それから、その白い指をそっとAの指に絡めた。
(…なん、だこれ)
Aは急に、いかがわしい行為をしている気分になってきた。全くそんなことはないのだが、梅野のひんやりとしたやわらかな指先はどうも不埒で良くない。
｢この手でいつも、絵を描いているんだね」
｢…うん」
(やっぱり冷たい。でも…)
前より少しあたたかい。もしかしたら、梅野も緊張しているのかもしれない。
梅野はそっと手を離してから、Aの目を見て微笑んだ。
｢何、しよっか」
｢う、うーん」
いきなり握られた手の感触がまだ残っていて、うまく頭がまわらない。
(…だめだ、意識してしまう)
間近にあるさらさらの髪も、きれいな頬も唇も、ほそい首も腕も。
もう少しだけ、触れたいと思う。
今度は、Aから梅野の手を握った。
(こんなことで、いちいち緊張するなんて)
｢ゲーム持ってこようか悩んだんだけど…梅野、下手だもんな」
握った手を、梅野の手首にそっと這わせてゆく。
｢…悪かったね」
梅野がそのAの手から逃げるように身を引いた。
｢何…？A」
｢手、細いなって、思って」
｢…それだけ？」
挑戦的な目付き。自分の美しさがもたらす効能を分かっている目だ。
ちょっと頭に来た。
｢手だけじゃ、ないな」
｢あ、待って…」
制止の声を無視して、Aは梅野の横腹をくすぐった。
｢あはは、やだ、っ、やめて」
｢腹も全然肉ついてないし。何食って生きてんの」
容赦なく梅野をくすぐってやる。笑いながら梅野がのけぞった。
｢ふふ、やだっ、あはは、もう、ギブっ…」
座ったままでいられなくなった梅野が背中から床に倒れた。自然と、Aもそれに覆い被さる体勢になる。
黒いセーターから、白い肌が覗く。
(…あのあたりだっけ)
くすぐりながら、梅野のセーターの中にそっと手を入れた。
さすがに梅野もびっくりしたようにこちらを見た。Aはくすぐる手を止め、梅野の腹の傷跡を撫でた。
｢…痛くないよな？」
｢うん」
軽く、梅野のセーターとインナーを捲りあげた。
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天泣tenkyu(プロフ) - 読みやすい わかりやすい 面白い 、の三拍子ですね！笑めちゃくちゃ読むの楽しくて一気に全部読んでしまいましたぁ…… (2018年10月11日 20時) (
レス) id: daeb79a243 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(金欠）(プロフ) - 面白かったです。お疲れさまでした！ (2018年2月26日 5時) (レス) id: f13eb61b67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白いのに、勿体無いと思います。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 読みづらい。 (2018年1月21日 11時) (レス) id: 581099bb6b (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - めっっっちゃおもろいです!!二人が再会できて良かったです!!更新頑張ってください!!q(^-^q) (2017年12月27日 17時) (携帯から) (レス) id: 76f089da6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぺこ | 作成日時：2017年10月30日 0時
