002.SEVENTEEN ページ2
ついにこの時が来た。
私の運命が決まる時。
ここで呼ばれなかったら私はどうなるのだろうか。
練習生を続ける?
それとも、諦めて日本に帰る?
そんなのは絶対に嫌だ。
最後でもいいから、名前を呼んでほしい。
そうでないと、自分が今まで努力してきたことが無駄になるし、ここまで支えてくれた家族に恩返しするとができない。
でも、正直あまり自信はない。
自分が特別注目されていると感じることが少なかったし、何より今私がいるのはマイナーグループだ。
呼ばれたら奇跡だと思うしかない…
そう思いながら、PDの言葉を待つ。
「次に選ばれたのは…」
Aと言って。
「……ダヒョン、おめでとう。」
同い年で、マイナーグループのダヒョンが呼ばれた。
ダヒョンは泣きながらコメントを言う。
私はそれが終わったのを見て小さく拍手をする。
もう、私は呼ばれないかもしれない。
そう思ったら鼻の先がツンとして、涙が出てきそうになる。
「マイナーから昇格するのはあと一人だ。」
PDが言う。
その一枠に、私は入っているのだろうか。
お願いだから、私の名前を呼んで。
「マイナーの最後のメンバーは…」
私の両隣のメンバーが、ゴクリと唾を飲み込むのを感じる。
「…Aだ、おめでとう。」
『…え?』
信じられなかった。
まさか自分が本当に呼ばれるなんて、思っていなかったから。
ゆっくりと階段を下りて、マイクを持つ。
『本当に、ありがとうございます。正直自信がなかったんです。それで今、名前を呼ばれたことに実感が湧いていなくて…応援してくださったファンの皆さん、そして家族の皆んな、本当にここまでありがとうございました。これからも頑張っていくので、よろしくお願いします…』
私のデビューが決まった瞬間だった。
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作者名:キャベツ太郎 | 作成日時:2019年11月16日 11時