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『……ん、』
いつもとは違う枕の匂いで目が覚めた。
わたし、いつも知らない場所で目が覚めるなぁなんて心の中で苦笑いしつつ、寝る前の記憶を辿る。
『……あ。』
これはやってしまったと、視界の端に写った大量の医学書が収納された本棚に気づかされる。
ここは、ローさんの部屋で、
勝手にローさんの部屋に入って、
勝手にローさんの寝顔をあんなに間近で、
さらにニヤニヤとした顔で見つめていたら……
そのまま寝てしまったんだ。
しかも、床で座って寝ていたはずなのに、ベッドの上にいるということは、
ローさんが目を覚ましたときにわたしをベッドの上に寝かせてくれたということ。
『……わたしのばか。』
とにかく起きなきゃと、ベッドから足を下ろすと、ローテーブルの上に置いたはずのおにぎりのお皿が、空になっていた。
ローさん、おにぎり食べてくれたんだ…
布団を整えて、部屋を出ると、ベポの姿を見つけた。
『ベポっ!』
「あ、おはよう、キャプテンのベッドはよく眠れた?」
『え、なんでそのこと…』
「さっきキャプテンに聞いたよ〜」
『お、怒ってた!?』
「ううん、全然!」
『はあ、よかったぁ……ローさんどこにいるかわかる?』
「多分、甲板にいると思うよ?」
『ありがとう!』
わたしが甲板へ行こうとすると、ベポは突然わたしの腕を掴んだ。
『え、なに…』
「キャプテンも、“同じこと”してたみたいだよ。」
『え?』
同じことって何?と聞こうとすると、ベポは構わずわたしに背を向けて行ってしまった。
…いや、今はこんなこと考えてる場合じゃない。
『ローさん〜…』
びくびくしながら甲板を覗いたけど、クルーの姿しかなく、もふもふの帽子は見当たらなかった。
『あれ、ローさんいない…』
ロ「俺はここだ。」
『ぅわあっ!!』
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北沢 - え、、、、続きは〜( ノД`)… 続き楽しみにしてます! (8月30日 18時) (レス) @page27 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
あず - 続きとっても気になるけどもうこれ更新されないのかな、、泣 (8月20日 7時) (レス) id: 9e4a1fab10 (このIDを非表示/違反報告)
亜羅零 - ローさん何しとんねんw更新頑張ってください! (2019年7月1日 21時) (レス) id: 3b01356bb8 (このIDを非表示/違反報告)
イルミ - 最後めちゃくちゃ おいっっっっっってなった笑 (2019年1月27日 20時) (レス) id: 6cd51c2a27 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - 凄く面白かったです!続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2018年9月13日 6時) (レス) id: a10a38cd02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりもクン。 | 作成日時:2015年2月23日 23時