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『たーけるさん!』
お昼になり、うじうじと離してくれなかった亘さんを、何とか宥めて近くの待ち合わせ場所として指定した、噴水がある公園に向かうと、サングラスをかけていかにも公園に似合わない男がいた。
なんか、鳩に好かれてる……って思いつつ、名前を呼んでかけよれば、相変わらずの肌の白さのその人がゆっくりと弧を描く。
「お疲れ、Aちゃん」
『すみません、遅くなってしまって……』
「ううん、右京さんから詳細聞いてるから。
君の彼氏さん、離れてくれなかったんだって?」
『そうなんですよ、何も無いよって言ったのに……』
さすがは右京さん、ちゃんと伝えてくれてた。
尊さんの横に座れば、彼には似合わない色の鞄から美味しそうな色をしたパスタが出てくる。
「冠城さん、だっけ。プレイボーイだって、噂が立ってたけど今ではすっかり、Aちゃんに夢中ってわけだ」
『どうだか。今でもあの人、事件で美人な方と会うと、目線がそっちに向きますよ』
「ははっ、さすがにすぐには抜けないか」
『男って、そんなもんですよ。』
はい、どうぞ、って渡されたタッパーを受け取りながら、拗ねたように言えば、わざとらしく驚く尊さん。
「えぇ、それって、僕も含まれてる?」
『どうでしょうねぇ〜
……にしても、急にナポリタンが食べたいって言って、すみません』
どう見ても、私のために作ってくれた量で、尊さんは炭酸水を飲んでいる。
いただきますって、言ってフォークにパスタを巻けば、横からクスッと笑う声。
「いや、確かに昨日、突然食べたいって連絡を貰った時は驚いたけど。」
『やっぱり』
「でも、Aちゃんとはすぐに会えるって、距離には居ないからね。可愛く強請られちゃ、作らないわけには……ねぇ?」
『えぇ?なんて言いました?』
「…いや、何でもな………あ、」
ナポリタンに夢中で、ほとんど右から左に流れて行ったから、聞き返せば苦笑いで首を横に振る。
…と思ったら、彼の手が伸びたと思えば、頬に尊さんの指が当たった。
『っ……』
「ソース、付いてたよ。」
そう言って、指に付いたソースを舐めたから、途端に私の顔が赤くなるのを感じる。
何も言えなくて、あわあわしてたら頭の上に違和感が。
「距離、近くありません?」
『かっ…冠城さん』
「お前もだよ、A」
大層ご立腹な亘さんがやって来たことで、私のナポリタン休憩が無くなった……ことは、ここだけの話。
* 唯一の同期 “ 芹×貴 ”→←* ナポリタン “ 神×貴+特命 ”
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㊙ - 更新されてないけど大丈夫ですか?楽しみにしてます (2022年7月31日 9時) (レス) id: 6713e19a53 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 薫さんが戻って来たときの話をお願いします (2022年7月12日 13時) (レス) id: 674b34db47 (このIDを非表示/違反報告)
AΩ ?: ???????????????(プロフ) - 短編更新お疲れ様です😆🎵🎵 良かったです❤ (2022年6月25日 8時) (レス) @page31 id: 6bf6ff9524 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 更新ありがとうございます!相棒21 薫ちゃん帰って来ますね!❤ (2022年6月23日 19時) (レス) id: c46bde8163 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 長編の方が亀更新って短編も亀更新ですね (2022年5月28日 11時) (レス) id: d17a6483f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どこかのムスメ | 作成日時:2022年3月9日 23時