° 天然と鈍感 ページ36
『リーマス！』
昼食時、珍しく1人でお昼を取っていたリーマスのそばに駆け寄るA。すると、何処か考え込んでいた彼が、彼女の姿を捉えるなり途端に幸せそうな空気を出した。
「A、お疲れ様。調合は上手くいったかい？」
『ええ、もちろん！…あれ、ジェームズ達は？』
「罰則とクィディッチの選抜。ピーターは補習だって」
『うわぁ……みんな大変だね…』
「ところで、クィディッチのシーカーを降りたって本当だったんだね？」
『ええ、体調も良くないしチームのみんなに迷惑をかけたくなくて。それに、1年の時に貢献出来て楽しかったけど、凄く怖かったからもうお腹いっぱい』
ミントパイを取り分けながら言うAを見つめながら、かぼちゃジュースを飲むリーマス。
『……ふふっ…リーマス、そんなに見ないでよ恥ずかしい』
「あぁ、ごめんごめん……ところで、休暇中にエジプトに行ったんだ。その時に珍しいチョコレートを買って……今日良かったらまた、どう？」
『え、凄い興味ある！また透明マントを借りて、お茶会しよ！リーマスと話したいこといっぱいあるの！家にいても、リーマスに会いたくて会いたくて……』
取り分けたミントパイを食べながら話し出すAと、彼女の言葉に次第に顔を赤くして照れていくリーマス。周りからは、ただのバカップルだと思われていそうだが、決して付き合ってはいない。
『でね？……って、リーマス、どうしてそんなに顔を赤くしてるの？』
「い、いや、なんでもないよ……っ…」
『そう？』
「……ねぇ、A。君、天然だねって言われない？」
『んー……言われないかも…どうして？』
「いや……」
彼女の天然さと鈍感が合わさることで、ここまで心臓が持たないのかと思い知らされたリーマスは、優しく頭を撫でて注意をする。
「あんまり、会いたいとか、他の人に言わない方がいいと思う」
『そうなの？』
「うん、君、親衛隊がいるみたいだし意外と恋心持ってる人もいるらしいから」
『私に？恋心？親衛隊？？……冗談はやめてよ』
「ほんとさ。ほら、ハッフルパフにいるネイビー・ローレンス知ってるだろう？クィディッチの」
『チェイサー？？でも、2年も先輩よ？』
「先輩後輩問わずいるらしいよ。前、ジェームズ達が話してたから」
『私に……ねぇ…』
信じられないと言っているかのような顔をして、最後の1切れを食べたAは、諦めたのか小さくため息をついた。
『注目されるの苦手なんだけどなぁ…』
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瀬尾早くれな - 初めまして。過去編を途中までと、アズカバンを途中まで、楽しみながら読ませて頂いています。そこで新作のパスワードをお教え頂けないか、と思うのです。続きが気になって、しょうがないのです。更新、楽しみにしております。頑張ってください！ (2020年11月8日 20時) (
レス) id: 222f789a86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのムスメ x他1人 | 作成日時：2019年10月6日 11時
