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拾弐 ページ13
「それでは、この前やった呪術筆記試験の答案を返して解散にします」
小百合先生の声をぼんやり聞き流す。
何回か授業には参加したけど、半分以上知ってる事だったからこっそりサボってた。
グレンにバレて怒られたけど。
「この結果は、これから与えられる鬼呪装備のランク決めにも影響します。なので結果を受け止めて次回に活かすように…」
机に並ぶ満点のテスト用紙をぼんやり眺めていると、後ろから声がかけられた。
「おや、Aさんは勉強してきたんですね」
「…だってこんな物で満点取れなかったら吸血鬼を殺せませんし」
兄様たちの無念を晴らすには、これくらいやらなきゃ駄目なんだ。
ぼんやり机に突っ伏していると、君月に声をかけられた。
「お前、サボり魔だろう。何点だった」
体を起こして答案用紙を見せると、驚いたように眉が上がった。
「…お前、勉強できるんだな」
…？
「僕は本気で吸血鬼絶滅させるためにここにいるんです。生半可な気持ちでやってない」
眠いからどっか行け、と動物を追い払うように手を動かすと、肩にジャケットをかけられた。
「こんなところで寝たら風邪ひいちゃうよ」
与一が優しく話しかけてきて、頭を撫でてくれる。
…撫でてもらったの、久しぶりだなぁ。
兄様、天国で幸せにしてるといいな。
思わず頭を擦り寄せると、シノアさんが小さな歓声をあげた。
「ぉお…！可愛いところもあるんですね」
「ぅるさい…」
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