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「貴方が一番、欲しがっているものを手に入れる訓練が…」
意味ありげに微笑むシノアさんを、少し睨んだ。
「僕の欲しいもの。鬼の武器…つまり、鬼呪装備でしょう？」
「そう、それです」
シノアさんは鍵を取り出す。
器用に指先でくるり、と回した…、瞬間。
炎と共に、黒い影が舞い上がった。
シノアさんの手にあった鍵は消え、かわりに大きな鎌を握っている。
「私が契約している鬼…四鎌童子、です。まっ、一応私も吸血鬼殲滅部隊の一員ですからねー」
欲しい。
見た瞬間から心臓がドクドク脈打って、頭が熱い。
吸血鬼を殺せる武器。
兄様たちの仇討ちができる、唯一の武器…。
気づいたら、斬りかかっていた。
「もう…。一般武器で鬼呪装備と戦うなんて、無理ですよ？」
キン、ガキンと音を立てて僕の刀とシノアさんの鎌が交じる。
これさえあれば、フェリドを殺せるんだ。
これさえあれば、僕の家族の無念を晴らせる。
これさえ、あれば…。
「しぃちゃん、このバカ殴って」
シノアさんの声に、武器に纏わりついていた黒い影が反応した。
すごい速さで僕に向かってくる。
「っ！！」
咄嗟に飛び退くいたけれど、空中まで影は迫ってきた。
「ぅ、ぐっ！？」
フェンスに背中から叩きつけられて、一瞬息が詰まる。
「けほっ、ぅ…。はぁ、降参です…。凄いですね、それ。それに吸血鬼も対抗できるんですか…？」
「はい！戦場ですから、向こうも武装してますよ。先日Aさんが倒した、あの丸腰の吸血鬼とは別物です」
丸腰でも、僕は負けそうだった。
…早く鬼呪装備が欲しいなぁ。
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