そばにいさせて 3【怪盗キッド】

私達を繋ぐもの 24 ページ25

青蘭さんは思ってもいなかった人物に目を開く。


コナン君はポケットに手を入れたまま、青蘭さんを見ていた。

周りを見る青蘭さんにコナン君は答えた。




「僕一人だよ」




(....新一)


きっと彼の優しさだろう。




私は犯人とコナン君を物陰からじっと見続ける。






その瞬間。



「っ!?」




何者かに口をふさがれてしまった。

私は驚き、力を込めて逃げようとするが離れられない。



すると私の頭上から聞いたことのある声が聞こえた。




「大丈夫、私です」





聞いたことのある声に驚き、振り返る。


白鳥刑事だ。





「し、白鳥刑事!スコーピオンがコナン君の前に!!」



「心配しないで。今はまずここから出ることを優先しましょう」



白鳥刑事が私の腕をつかむ。

が、私は白鳥刑事の手を避け一歩距離をとった。







「嫌だ。私は、許さないの。スコーピオンのことを」



「A...さん」



「私の大切な人を撃ったスコーピオンを！！」






私が大きな声を上げた瞬間、瓦礫が上から降ってきた。

白鳥刑事はすぐに気づき、私の腕を引っ張る。

私は白鳥刑事の胸元に顔をうずめる形になってしまった。





が、やはり先ほどと同様好きな人の香りが鼻をかすめた。






「貴方...もしかして」




私が小さく呟いた瞬間、後頭部に手を当てられ強く抱きしめられる。




(んん！？)




すると白鳥刑事は反対の手で、エッグを出したカバンを漁り始めた。


顔をうずめている体勢のため、視界が悪いが銀色の何かを取りだすのが見える。







パシュッ!!





聞き覚えのある音が耳の近くから聞こえた。




(....！！)



視界がゆがむ。

涙が目にたまっていた。






そして白鳥刑事は銀色の何かをしまい、私を開放する。




「さ、行きますよ」



「...はい！」



私は涙をこらえ、白鳥刑事と一緒にコナン君の元へと走り出した。

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