95頁目 ページ48
『…家の前に不審者が居るから通報しようかな』
「ひっど」
恭弥さんが仕事で居ない今日の話。恭弥さんが今日の夜はハンバーグが良いと言うから買い物に行き帰って来た所、家の前で座り込んで携帯を弄っている男が居た。他人の家の前でと言いたいが、それは言えない為わざとそう言って鍵を差し込む。
私の顔を覗き込もうとしてくる男のうざったさに顔を引っぱたいてやろうかと思ったが何とか堪えていれば、彼は私に向けてにこーっと笑いかけた。
「お兄ちゃんにその言い方はないだろ？」
『…そのお兄様は帰って来たのが半年以上ぶりになりますね』
「悪かったって、俺一応出稼ぎ行ってんだぜ？もっと褒めてくれたってバチは当たらねぇと思うな〜Aちゃん！褒めろって、ほらほら！」
『うっざ…』
にこにこ、否、にやにやと言うべきか。私にとって嫌な笑みを浮かべながら家の中に入ってくるあの男の名前は風柳天花(ふうりゅうてんげ)。私の腹違いの兄である。
正直彼に対して好きとかの感情はない。何せ今世になってからの兄である上にほとんど家に居ないのだから。今ここは恭弥さんと私の家になりつつあるから帰って欲しい。…いや、彼の家はここなのだけど。
天花「昔みたいにお兄ちゃ〜んって言いながら抱き着いて来て良いんだけど？」
『それ5歳以前の話じゃない？そんなのよく覚えてるね』
天花「俺その時15ね」
『10歳も上の兄が10歳も下の妹を放置して仕事に出てるんだからこの対応も仕方ないんじゃない。困る事なく生活させてくれてる事には感謝してるよ』
天花「じゃあお兄ちゃんって呼んでくれよ〜！」
『仕事戻れよ』
天花「うんまあ俺もすぐ戻んないといけないんだけど…あ、そうだ聞きたい事あって来たんだよ！」
私の方を見て本当に大変な事だぞこれは！と言ってくる兄。何だよ…と思い仕方なく顔を見れば、ムスッとした顔で問いかけてくる。
天花「クリスマスの夜一緒に寝てたのはどこの男だよ！お前が安心して眠ってるから何もしなかったけど、そうじゃなかったら殺してるとこだぞ！？」
『お前恭弥さんに何かしたら死ぬのはお前になるからな』
天花「ブチ切れじゃん。えっ、お兄ちゃんよりあの男の方が大切なの？？」
『何当たり前の事言ってんの？あの人に何かしたり何か言ったりしたらその日がお前の命日になると思った方が良いよ。分かったら仕事戻れ』
天花「妹が凶暴化してんだけど〜？？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にこ(プロフ) - セツナさん» ありがとうございます〜！ (2月6日 18時) (
レス) id: 2482e00544 (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - 好きすぎます！！！ (2月6日 17時) (レス) @page34 id: 6cc1bafe7a (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - せつさん» ありがとうございます〜！この先原作沿っちゃうのでただの日常は減ってしまうかもしれませんが、時折おふざけ的な日常挟みつつ書きたいと思っていますのでこれからも是非よろしくお願いします！ (2月5日 13時) (レス) id: 2482e00544 (このIDを非表示/違反報告)
せつ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！こういう日常系のやつ好きです！更新楽しみにしてます (2月5日 9時) (レス) @page22 id: da1a15d406 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にこ | 作成日時：2024年2月2日 19時
