東海くんとカラフルなお話。（仮）2【東海オンエア】 (ページ19)

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◆ 君が僕の心に魔法をかけた【YUMEMARU】ページ19

今日も学校の前の坂を自転車で下る。

隣にはほとんどいつも一緒に帰っている幼馴染のAもいる。

ちらっと横を見ると、Aの長い髪が踊っていて、吸い込まれそうなくらい綺麗な横顔。

｢ちょっと！あの坂でよそ見してたでしょ？｣

ゆ｢え？してないよ！！｣

｢してたよぉ、私の方見てたでしょ？｣

ゆ｢なんでそう思ったの？？｣

｢えぇー？何となくだだってー｣

信号待ちをしている時、Aがそんなことを言ってくるから、つかれたくないところをつかれてドキッとする。

綺麗な横顔なんて思ってることがAにバレちゃったら、この気持ちがバレてしまうからね。

俺はずっと、Aに恋をしている。

小さい時から、ずっと一緒にいたからこれが恋なのかわからなくなる時もあったけど、Aを可愛いと思うのと同時に、ギューッと締め付けられる胸が答えを教えてくれる。

ゆ｢Aはさ、恋ってしたことある？｣

信号は青に変わったけど、聞いてみたかったことをAにぶつけてみる。

｢何急に！｣

ゆ｢いや、したことあるかなー？って思って、俺今恋してんだよね｣

｢え？！ゆめまるくんが？！それは重大事件だ！｣

ゆ｢したことある？｣

｢んー...あるよ。っていうか片思い中？｣

へえ、さすがにAにだって好きな人くらいいるよな。

勢い余って、告白なんて流れにしなくてよかった。

どんな人なのかな。かっこいいかな。

俺が認めた人しか付き合うなんて許さんからね、なんてお父さんみたいなことを思う。

ゆ｢どんな人？｣

｢えっ？優しい人...かな？｣

ゆ｢そんなのたくさんいるじゃん！他には？｣

｢えー、これ以上は恥ずかしいよ｣

そう言いながらももう既に恥ずかしそうに顔を少し赤くしてる。

ゆ｢なんでよ教えてよ｣

｢.....る人！！！｣

あまりにもごにょごにょ話すから、全く聞こえなくて、え？って聞き返すと、今度は周りの人にも聞こえてるんじゃないかってくらいの大きい声で返ってきた。

｢私の隣でいっつも笑ってる人！！｣

ゆ｢.....って？｣

｢ゆめまるくんだよ、ばかばかばかー！！｣

ゆ｢えっ、可愛すぎ｣

自転車が倒れたのも無視して、Aをそのまま抱きしめると、苦しそうにしながらも嬉しそうに笑ってくれた。

ゆ｢好きだよ｣

｢はっ...？！｣

君が僕の心に魔法をかけた。

ずっと一緒にいたけれど、今日からはまたちょっとら違う世界を一緒に歩こうね。