◆ 君が僕の心に魔法をかけた 【TOSHIMITSU】 ページ20
今日俺は、今まで生きてきた中で1番緊張している。
この世は幸せそうな人で溢れていて、その人たちがみんなみんなこの瞬間を乗り越えてきたのかと思うとマジで尊敬する。
と「あー、ちょっとこっちきて」
「なあに?」
と「その番組はもういいからこっちきて」
「え?としみつもどっちが勝ったか気になるでしょ?」
場所は絶対この家って決めてた。
おしゃれな店とか、思い出の場所とか、そういうのもたくさん考えたんだけど、やっぱりこれが俺らしいと思った。
なんか勝手に気張ったりすると、失敗する気がした。
「どうしたの?」
いつもご飯を食べるダイニングテーブルにAを座らせて、その向いにいつも通り座る。
予め隣の椅子には、準備しておいたあれが置いてある。
と「はぁーっ...無理ー....」
Aがいつもみたいに俺の方を見てるだけなのに、心臓が無駄にドキドキして、足をバタバタさせてしまう。
こんなのかっこ悪いと思って、すぐやめたけど心は落ち着かない。
いつもと全然違う俺が不思議なのだろう、Aが首を傾げる。
はあ、可愛い、俺の姫。
と「言います!!」
「ふふっ...どうぞ??」
と「...男としみつ、言います!!!」
「もーっ!何を言うの?!」
隣の椅子からその箱を勢いよく取って、机の上に優しく置く。
何かを察したのか、Aははっとした顔をして、両手を口の前にもっていく。
と「あー...こんな時までグダグダでごめん」
小さな箱を開けると、キラリと光る大きめな石。
何回もお店に通ってやっと選び抜いた君に似合うリング。
と「Aちゃん、俺は貴方を幸せにするために生まれてきました」
「待って待って待って...!私こんな部屋着とかやだ!」
と「は?そんなAも可愛いからいいんだよ!」
Aの左手を取ると、少し震えてる。
箱からその光るものを優しく外して、さらに優しくAの薬指にはめる。
と「俺だけのものになってよ」
「えっ...えっ..」
と「俺だけにAを幸せにさせてよ」
「もーう!!そうやって...いっつも急に..泣かせるよねぇ...」
と「お返事は?」
「しょうがないから幸せにさせてあげる」
と「可愛くねぇな」
嘘だよ、その泣いてる顔さえも可愛くて可愛くてしょうがない、世界一のプリンセスだ。
「幸せにしてよね」
と「任せとけ」
君が僕の心に魔法をかけた。
その魔法にかかった俺は一生かけて君を幸せにすると誓うよ。
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作者名:Ma | 作成日時:2018年7月5日 21時