＃40 拗ねた。 ページ40
なんとかりょうの想い人へのお土産も決まったみたいで、俺は急いでAちゃんの所へ戻る。
さっきより苦しくなさそうな彼女がそこには座っていて、｢おまたせ｣と言うとちょっとだけ笑った。
｢ん、遅くなっちゃったけど温かいの！｣
｢ありがとう｣
｢大丈夫？...薬とか飲んだ？｣
｢ううん...でもこれもらったから飲もうかな｣
お腹を温めるようにペットボトルも！！って思って渡したやつだけどクスリ飲むのにも役立った。
また隣に座ってエナジードリンクを一気飲みする。
いつもよりかなり口数が少ない彼女を心配するけど、やっぱりまた背中に手をやって優しくさすることしか出来ない。
｢としくん寒くない？｣
｢ん？俺？｣
｢だって寒いから上着着てたんじゃないの？｣
｢ああ、いいよ俺のことは。Aちゃん持ってて｣
こんなときなのに俺のことを心配してる。
さっきより元気になったのはありがたいけれど、そんなんでまた苦しくなっちゃったら困る。
｢みんなは？大丈夫？｣
｢もーー！人の心配はいいから！｣
｢だってー...毎月のことだからこんな優しくしてもらうのも...申し訳なくて...｣
ちらっと子犬のような目で俺を見る。
毎月苦しみと戦ってるんだなってAちゃんから聞くと可哀想にって思う。
｢あいつらはもういいよ、勝手にお土産見て帰るでしょ｣
｢わたしも一緒に選びたかったかっなあ...｣
｢後で俺と選ぼうね？｣
｢うーん...｣
｢なんか不満そー...｣
そんなにあいつらといたかったか、そうかそうか。
俺といるよりも楽しいしね！賑やかだし！！
ちょこっとアイツらに嫉妬して、不機嫌になりかけるとAちゃんがふって笑う。
｢としくん拗ねたでしょ？｣
｢そりゃ拗ねた...｣
｢拗ねてるとしくん可愛いから見たくなっちゃった｣
Aちゃんには勝てないんだ絶対。
だってこんなことされてイラッとしないのなんてAちゃんくらいなんだもん。
｢はぁー...好き！｣
｢なっ、なんで急に？！｣
｢やっぱ沖縄もいいけど、俺こんなベンチでも楽しいわ｣
元からどちらかというとインドアっていうのもあるけど、外に出るよりゆっくりしてるのが好きなよかもしれない。
｢かなり復活したから行こう？｣
｢もういいの？｣
俺がやってるスマホゲームをのぞき込んでいた彼女が頷くから、｢行こうか？｣って手を差し出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 473人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ma
| 作成日時：2018年9月12日 12時
