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#39 1人だけ特別。 ページ39

お土産がたくさん置いてある売店に全員で入ると、俺は温かい飲み物を探す。

メンバーは「ちょっと休んでいく」っていう俺の言葉をしっかり察してくれたのかなんにも言ってこなかった。


レジの向かいに飲み物ゾーンがあって、あたたい缶コーヒーとペットボトルのお茶と俺が飲みたいエナジードリンクを持ってレジに向かう。

ちらっとメンバーの方を見てみると、人形が沢山並んでるコーナーで子どもと一緒になって騒いでる。


「じゃあ俺行くね?」


一応声をかけてみると、しばゆーに腕を掴まれる。


「ちょっと待て!としみつも入って!じゃないと偶数になる!」

「もういいって!俺が自分で決めるから!」


俺の腕を掴むしばゆーの腕をりょうが掴んで、離そうとする。

何が起こってるのか分からず、早く戻らなきゃって気持ちもあって「じゃあ行くわ」って言ったのに虫さんが道を塞いできて「まあまあ」って俺の肩を掴む。


「りょうくんが女の子にお土産買うんだって!!」

「はあ?」

「で、いつもの女友達大勢かと思いきや!!」


虫さんがそう言うと、てつやの方をばっと振り返る。


「1人だけ特別がいるらしい!!」


また虫さんとてつやが共同で悪魔やってるわ。

話を聞いてみると、事の始まりはりょうがお土産を買うって言ったことで、お菓子でいいじゃんって言ったら違うんだよって悩みだしたらしい。

そういえばいつか、酔っ払いながら好きな人が出来たって言ってた気がしなくもない。

あの時てつやもいたけど、酔っ払ってたからなぁ。
覚えてるのは俺だけかもしれない。


「あー俺それ知ってるよ」

「え、なんで?!」

「え?りょうが言ったやん」


あ、本人すら覚えてななかった。
これは想定外。


「俺としみつに言ったっけ?」

「うん、この前酔ってた時ね」

「あー、覚えてな笑」


で、そのイルカのぬいぐるみかスノードームみたいな置物と悩んでるわけね。

はいはい、どっちも女子が好きそうだしりょうから貰ったら死ぬほど宝物に見えそうやね。


「多数決で決めるからとしみつも指さして」

「俺らが決めるとか意味わからんやん」

「いーから!!!」


てつやに無理やり輪の中に入れられて、しょうがなくスノードームみたいなのを指さすと虫さん以外が俺が選んだのと同じのを指さした。


「え!ぬいぐるみは?!」

「それはとしみつたちの印象が強すぎるから却下!」


ああ、ペンギンのぬいぐるみか。

今でもかなり大切だからいいと思うけどね。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ma | 作成日時:2018年9月12日 12時

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