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#21 4月の海。 ページ21

「4月に海に入れるなんてすごいねぇ」

「今日普通に暑いもんね」


今日は二人とも忘れ物をしないで部屋を出て、車に乗って向かうのは沖縄と言ったら!!の海。

窓を開けると風が爽やかに吹き込んで、気持ちいいし沖縄いいところ。

サングラスかけて窓枠を肘置きにしてる俺を見て、Aちゃんが「としくんかっこいい..」って言うのはもう慣れた。

うんうん、君の方が可愛いよって言ってあげればいいんだけど、まだ照れが入っちゃうから言えない。


「としくん!海海ー!!」


昨日はただ広すぎる海を見ていただけだけど、今日来た離島は目の前に海が広がってる。

そんなここはもちろんビーチだから、Aちゃんの水着が見れて、一緒に海に入れるっていうわけ。


「Aちゃん着替えてきなよ、俺ここで荷物見てるよ」

「分かった!待っててね!」


バックを持って更衣室の方に走っていくAちゃんを見送って、小さいレジャーシートを敷いたそこに座った。

俺はホテルを出る時から水着を着てきたから、着替える必要もなく、サングラスをかけたまま適当にスマホをいじっていた。


「えっ?!待って、待って!!」

「やっばくない?!」


嫌な予感がした。
結構人がいるこのビーチに足を踏み入れた瞬間に。
こうなることがなんとなく予測できた。


「としみつだよね?!」


世の大学生ってこんな春休み長いん?
ほんとに恨むよ?

でもこれ以上騒がれてもさらにウザイことになりそうだから、スマホを見つめていた目をキャーキャー言っとるその集団に向けた。


「やっぱりそうだー!!」

「しーっ」


人差し指を立てて口に当てると、女子大生であろう3人組は「あっ...」って顔をして静かになった。

こうなったときはいつも困る。

別に手招きしてまで来て欲しくないし、別に話しかけてきてもいいけどギャーギャーされたくないし。

でもその気持ちわかる。
俺も目の前に好きな人現れたら発狂するわ。
だから今静かにしてくれたあなたたちにはちゃんと対応するわ。


「なんでお前らわかんの」

「オーラが!」

「オーラなんてないやろ笑」


水着姿の彼女達を見て、はやくAちゃん来ないかなぁなんて思う。


「え?ひとりですか?」

「あー...」

「もしかして?!」


あ、めんどいやつ。
ここで匂わせると、Twitterに書かれんだよ。

としみつ絶対彼女と沖縄きたってね。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ma | 作成日時:2018年9月12日 12時

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