＃33 ストーカー。 ページ34
てつやの風邪はあっという間に治って
今も隣にうるさすぎるてつやがいる。
｢まっじで高熱すぎてビビったわ！としみつ呼ぼうかと思ったもん、まじで｣
｢呼ばれなくてよかったー、まじで｣
｢元気になってよかったね、てつや｣
｢ゆめまるは優しいなあ！！｣
動画と動画編集が困るからあんまり長引くとこまるけど、あと2日くらいは弱ってて欲しかったかな。
｢ああ！そうだ！てつや！！！｣
俺は忘れてないぞ！オレンジ男の真相だ！
まあてつやなのは知ってるけどなんでコソコソしてたのか、聞かなければ！
｢なんじゃ？｣
｢風邪ひく前、俺の後ストーカーしてた？｣
｢なんで俺がとしみつなんてストーカーしなきゃいけないの？｣
ここに置いてあるとしみつのスマホの暗証番号も知ってて開けられるのにって、実際にスマホのロックを解除してる。
｢ばっか！なんで知ってんだよ｣
｢そりゃあ、としくんが好きだからでしょうよ｣
｢うっざ｣
｢うざいとはなんだ！！としみつだって俺のこと好きだろ？！｣
｢好きだよ｣
｢仲良しか！｣
隣で聞いてた虫さんがすかさずツッコミを入れる。
え？じゃあAさんが見たオレンジ男は、てつやじゃない？？
そんなことある？
こんなにオレンジなの世界中ならまだしも岡崎にまだいるの？？
逆に興味あるわ、逆に！！
｢え？マジで？じゃあ別人？｣
｢何が？｣
｢なんでてつやにそんな事聞くの？｣
｢いや、帰り道にAさんと歩いてて、Aさんがさっき全身オレンジの男がコソコソしてるの見たって言ってて...あぁっ！！！｣
俺がAさんの名前を口に出した瞬間、真剣な顔をしていたてつやの口が緩んだのが見えた。
気づいた時にはもちろん遅くて、虫さんはクスクス笑って、てつやはドヤ顔で立ち上がった。
｢やっと口に出したな！お前！！｣
作戦大成功だね、てつやって虫さんが拍手を送っててつやはへへーんってわざとらしく胸を張った。
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作者名：Ma
| 作成日時：2018年6月4日 20時
