ひなたぼっこ 4 【呪術廻戦】

･134 朝まだき ページ20

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虎杖(消えた…終わったのか…)


虎杖は青空の下で漸く大きく息を吐いた

先程ひとりの人間が消滅したとは思えないほど

ここはずっと穏やかな空間だ




ﾊﾟｼｬﾝ と水が跳ねる音がすると

心が安らぐこの場所は突如消え



虎杖と(人1)は曠劫樹の元へと帰ってきた





虎杖｢ｯ(人1)先生ｯ!!!!｣

虎杖が駆けつけた先には
膝をつき呼吸が細くなっている(人1)が居た



虎杖｢先生!!頑張って息をして!!!!すぐに治療を──｣

ギュッと(人1)が虎杖の手を握ったことで
虎杖は言葉を止めた


虎杖｢…先生？｣

虎杖の呼び掛けに困ったように笑う(人1)







(人1)｢もういいの｣


掠れていたが確かにその一言だけを告げた


虎杖｢何で！！！良くないよ！
先生このままじゃ死んじゃうよ！誰か早く…

そうだ、先生！治癒の術式使って！
そしたらこの怪我だってすぐに…｣


(人1)は黙って首を横に振る


(人1)｢ごめんね…もう治せる程元気が残ってないの

悠仁もそんなに声を荒げない方がいい
頭の出血も止まっていないし、肋も折れてるでしょ?｣

虎杖｢俺の事はいいからｯ。だからｯ………｣


崩れ落ちる虎杖は嗚咽を漏らす



(人1)｢…悠仁、聞いて。

透夜が消えたから奴が呼び寄せた呪霊達も消えた筈だ
いずれ皆と会えると思う

だから皆に伝えてほしい事を悠仁に任せたいの｣


虎杖｢嫌だ…何で、なんでもう会えないみたいなこと言うんだよ!!!!
皆すぐ来るから…俺達と一緒に帰ろうよ…｣


虎杖は(人1)の手を強く握り返す


(人1)｢…私は帰れない｣

虎杖｢何で!!先生は誰も殺してなんかいなかったんだ!!
全部彼奴の仕業だったんだよ!!!!
先生は何も悪いことしてないんだ!!!!｣


(人1)｢もし、そうだとしても私はきっと耐えきれない

あの時、私は自分を抑えられなかった
またそんな事があったら…
そう思うだけで震えが止まらない

今度は悠仁達(守りたい人達)を殺してしまうかも
しれない

また約束を守れなくなる…
私はこれ以上嘘つきになりたくない…




お願い…これ以上私の事を嫌いにさせないで…｣


震える声で懇願する(人1)に何も言えなくなってしまった虎杖は静かに頷いた



虎杖｢…分かった、俺が先生の願いを叶えるよ｣

涙を堪え虎杖はそう告げた
ぎこちない笑みを浮かべながら



(人1)｢ありがとう。

今から話す事、ちゃんと伝えてね？

信じてるよ…私の自慢の生徒くん｣

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