62. ページ14
.
「ん……………」
目が覚める
するとそこには、当真ではなく、荒船がいた
.
.
「………」
「荒船、何で………」
何を言えばいいのかわからない
どう伝えればいいのかわからない
言いたいことが見つかったとして
また、傷つけてしまうのではと怖い
こうやって怖いと感じていることが嫌だ
一番怖いと感じてるのは俺じゃない、と言い聞かせるがそれも無駄だった
手は緊張からか、恐怖からか、汗ばんでいる
ああ、怖い
別れを告げられるのでは、と怖い
先に突き離したのは俺なのに、先に傷つけたのは俺なのに
口を開くのが、開かれるのが、怖い
「荒船……」
「ｯ…………!」
肩が揺れる
それを見て、Aは俯く
ベッドから立ち上がっていたAは、また、ベッドに座る
ごめん、と一言伝えたいのに
もう離したくないと思っているのに
いつもいつも、くだらないことを話しているはずのこの口は動かない
「あのね、荒船」
決めただろ、言うんだろう
「……あ、のさ………」
もう、離したくないんだろ
「…………うん」
なら、
「………………悪、かった……」
伝えなきゃいけない
どれだけ拒まれようと、嫌われようと
怖がるのはもう終わりだ
「………うん……」
「……さっき、当真からメールが来て
Aが寝てる写真、見せられて
当真が変なメッセージも送ってきたから」
「………………」
「すげぇ、焦った
俺にそんな資格ないこと知ってるし、図々しい奴だとか、自分勝手なことしてるのはわかってる
それでも、俺は……っ!」
お前が、好きだから
一度閉じた唇に、柔らかい何かが触れる
それが、今まで何度も触れてきたそれと同じものだと知るのに時間はかからなかった
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おむらーす - エネさん» ありがとうございます！次回作、作るか迷い中ですが、また姿を現した時はよろしくお願いします笑 応援、ありがとうございました！ (2016年1月18日 22時) (
レス) id: e5ea87c0cf (このIDを非表示/違反報告)
おむらーす - 藍＠浅にぃloveさん» ありがとうございます！感動してもらえたなんて嬉しいです！もしかしてもしかしなくても、ダイヤのA好きですか？？私も大好きなんです！笑 また話せたら嬉しいです笑 応援、ありがとうございました！ (2016年1月18日 22時) (レス) id: e5ea87c0cf (このIDを非表示/違反報告)
おむらーす - パプリカさん» ありがとうございます！パプリカさんからのコメントは毎回楽しみにさせていただいてました！(勝手ながら) 今まで応援、ありがとうございました！ (2016年1月18日 22時) (レス) id: e5ea87c0cf (このIDを非表示/違反報告)
エネ(プロフ) - 完結おめでとうございます！次回作楽しみにしてます (2016年1月18日 10時) (レス) id: b4abfe6cdf (このIDを非表示/違反報告)
藍＠浅にぃlove(プロフ) - 完結おめでとうございます！感動する終わり方でめっちゃなきました！ (2016年1月18日 0時) (携帯から) (レス) id: 02dbac67e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おむらーす
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mucho
作成日時：2015年12月19日 11時
