星にネガイを【18歳組】

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「雨、やまないね」





「…おー…」





どこか湿気の多い、本部にある一室で、私と荒船はソファに座っていた



お互い、ただぼーっとしてるだけ


何か、起こらないかな、とか
本当に平凡なことを考えてるような感じで







「あ、雷」




「酷くなってきたな」






酷くなってきた、というのはきっと天気のことを言ってるのだろうが、私は違う意味を探してしまう



ああ、暇だ






「…ねぇ、荒船」




「あ?」




「……いや、こんな事聞くと怒るかも」




「いいから言えよ。
こっちは暇してんだ」




それは私もだよ、と言葉を放る


雨音も僅かにしか聞こえないこの部屋では、小さく呟いた声ですら大きな音となる





「……じゃあ、聞くけどさ



もし、私がまた、どこかに行ったら……

ううん、行かなきゃいけなくなったら、どうする?」





明らかに、機嫌が悪くなるのがわかった


眉間にシワが寄っている
舌打ちまでされた


だから、もし、って言ってるじゃん






「そんなの、止めるに決まってんだろ

たとえお前が行かない事で大規模侵攻が起きることになっても、だ。
もう、あんな思いはしたくねぇ」





そっか、と私は言う。

物騒な事を話してる筈なのに頬が緩んでしまう



ああ、嬉しいなぁ、なんて







ぽたり、





涙が零れ落ちた






「お前…どうした…」





頬の涙を拭う彼の手を握りしめる





お願い、




離さないで





いっそのこと
私を、どこかに閉じ込めて






この言葉を聞いた彼は、
酷く顔を歪めた







「アホなこと、言ってんじゃねぇよ…」







いつになったら、この苦しみから解放されるのだろう





彼らと共に、未来について笑って語らう日が来るのだろう







未来は決して、輝いてるだけのものではない

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