星にネガイを【18歳組】

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「トリオンが、少ない?」





なんで、どうして


見渡すと皆そんな顔をしていた

城戸さんもいつもより険しく顔をしかめている





「向こうでヘマして一度捕まったんです。

そこにはたくさんの捕虜がいて、私もその一人で」




目を瞑り、淡々と話し出す彼女に
俺は胸が痛くなるような感覚に陥る




「拷問を受けました。

トリガーを持ってたからですかね。
他の捕虜より、ずっと長い間。それで、私が何も話さなかったから


今度は、私のトリオンに目をつけてきました」





真っ暗な室内で零れる涙はまるで


夜空に光る星のように輝いていて





「すみません、それでもトリガーを普通に使えたので、何も伝える必要はないと思ってました


何もこちらの情報は言ってないので、大丈夫です」




弱々しく笑うその笑顔は


触れれば消えてしまいそうなぐらい儚かった



よう考えなくても、彼女は普通に過ごしていれば普通の高校生で

その時間は楽しいものなはずだった

その時間を奪ったのは間違いなく俺たちで、それが取り返しのつかないことだと気づかされ
今、胸にストンと、音にするよりもっと重たいモノが落ちるような罪悪感が俺を襲う




「…こうなる事がわかってたから、言わなかったのになぁ…



迅さん、私は後悔なんてしてません。
それにもう終わったことです。

ほら、いつもみたいに笑ってくださいよ。
いつもの明るい迅さんに戻ってくださいよ」





ねぇ、と俺を見上げる彼女は




いままでに見た何よりも綺麗だった







「ごめん、ごめん…」






謝ることしかできない俺を


どうか許して欲しい

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