星にネガイを【18歳組】

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寒い寒い冬空の下




真っ白な息を吐く









「うーみーは ひろいーな おおきーなー」





横から聞こえてくる声に耳を傾けながら、
俺はゆっくりと歩く。


氷った水たまりに足を滑られて転ぶんじゃないかと隣を見るも、そいつは呑気に鼻歌をまぜる。歌詞があやふやだったからか。





「…ありがとねー、荒船」



振り向くと、俯きながら歩くそいつがいて

前見ろ前、という俺の注意を聞きもせず
立ち止まった。





「何が」




「海。


本当は、あんまノリ気じゃないでしょ」




「……あぁ、そうだな


そうかもしれない」





はっきりと答えるのは酷なように思えるが

コイツにはちょうどいい。





「でも、悪くない、と思った。




じゃなきゃ俺が行くわけねぇだろ」





今だに俯いている頭に手を置く。



そいつは一歩、また一歩とゆっくり歩き出した。







駅まであと、数m


もうすぐそこに、アイツらはいた。






「少し急げ。
アイツらもう来てるぞ」







海は広いな



大きいな



それに比べると俺たちの世界は



もっと狭くて小さい



それでも、俺たちにはそれくらいがちょうどいい

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