第一話 ページ2
エデ ｢忘れ物は無いか？ローブもちゃんと持ってる？あ、お金はいくらかあるのか？｣
私のパパ、エディはカートを押す私の横をうろちょろして付きまとっている。
『パパ...』
別に思春期とか、反抗期とかじゃないけど、流石に周りの人から見られて恥ずかしい。
エデ ｢そうだ、いつでも僕達を思い出せるように、写真を飾っておきなさい。｣
エディはジャケットの裏側から、家族の集合写真を取り出した。
『ええ、そうするわ。ありがとう、もう大丈b...』
エデ ｢ちょっと待って！サクラが好きだったこの人形、持ってく？｣
エディの胸ポケットから、私が小さい頃によく遊んでいた小さな猫の人形が顔を出していた。
『その子は、私のベッドに置いておいて。』
そんなやり取りをしていると、妹のエマがエディの袖を引っ張った。
エマ ｢パパ、もう少し落ち着いて。
お姉ちゃんが鬱陶しそうにしてるわ。｣
エデ ｢そ、そうだったのか、？！｣
エマ ｢パパ結構うるさいわ。｣
エマの辛辣な言葉に、エディはしゅんとしてしまった。
カレ ｢あら、どうしたの？｣
私のママのラナが、近くのお店でエマのジュースを買い終え、戻ってきた。
エマ ｢またパパの過保護が始まったの。｣
カレ ｢あら。｣
ラナがクスッと笑うと、エディは余計に落ち込んでしまった。
エデ ｢僕ってそんなに過保護かなぁ...
サクラ、鬱陶しいって思ってるのかい？｣
『そんなことないわ。ただ、周りの人から見られて恥ずかしかったの。
それに私はもう11よ。大丈夫。』
そんな落ち込むエディの頬に、ラナは口付けをした。
ラナ ｢エディ、心配なのは分かるわ。でも私たちがやれることはしたでしょ。あとはサクラが自分でできるわ。｣
エデ ｢...ああ、そうだな。｣
ラナ ｢サクラ、さあ、こっちへおいで。｣
私は荷物を置いて、ラナにハグをした。
ラナ ｢気をつけて。ママとの約束、覚えてる？｣
私はこくりと頷く。
｢『力は見せびらかさない。』｣
ラナはいい子ね。と言って私の頭を撫でた。
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作者名：おむちゃ〜 | 作成日時：2021年12月16日 9時
