【テニスの王子様】幼なじみの壁越えました【幸村精市】 (ページ18)

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幸「A、A起きて」

心地の良い声が耳元で響く

『ふぁ〜…せーいちおはよ…ぅ…』

幸「はいはい。また寝ないの。もうすぐ日本に着くよ」

『ほんと？！』

窓を覗けば、まだ海の上だった
しかし、アナウンスではもう少しで着陸とか言ってたから本当らしい

飛行機ってやっぱり速いんだな…

私たちはテニスの聖地、イギリスのウィンブルドンを去った

なんだかんだ言って、長いようで短かったし、いろいろありすぎた日々だった

海外まできて攫われるし、怪我人は出るしで大変だった

でも、精市はちゃんと来てくれた。支えてくれた。それがとても嬉しかった。

それで、私と精市は約束した

お互いの背負ってるものは二人で支えようって。

苦しいことも幸せも半分こにしようって。

『精市。』

幸「なんだい？」

『今度はどこか二人でおでかけしよう？』

驚いて体を揺らすとすぐにそうだねと、目を細めた

『どこがいいかな…？』

幸「Aとならどこでもいいよ。

あ、でも。」

『ん？どうしたの…？』

幸「受験。終わってからだね。もう、受験生なんだから、勉強しないと」

『そうだよね…私たち、３年生だもんね。

仕方ないかぁ…』

少し期待してたけどやっぱりだめかー
精市真面目だし、頭もいいし、やっぱり近いうちには行けないよね

それじゃそれまで辛抱しないと…

幸「うん…といいたいところだけど、夏休み中くらい、いいよね？」

心が弾んだ

『ほんと？やったぁ…』

思えば、ちゃんとおでかけしたことなんて、小学校低学年くらいまでの記憶しかない

その後はお互い習い事で忙しくなって、遊ぶ時間なんてなかった

登下校と学校はずっと一緒だったけど、考えたらよく二人とも続けられたと思う

近所に同級生がいなかったことが幸いしたのかな？でも中学入ってからはバラバラな日も多くなってたけど、これからもまた昔みたいにできるんだよね

嬉しいな。

『ふふ笑』

幸「何笑ってるの？笑」

『ううん笑だって嬉しくて。これからは堂々と一緒にいられるよ』

幸「そうだね。それじゃあ。」

私の手をとって、指を絡める
やったことのない繋ぎ方に慣れていなくて、変な感じだったけど

こういうのが新鮮っていうのかな？
だったらいいのかも

前言撤回、だんだん恥ずかしくなってきた

『せーいち…。恥ずかしくなってきた』

幸「堂々としていいんだろ？A、顔赤くなってるよ」

『ﾊﾞｶｧ…』