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(内容をほんの少しだけ変更しました)

コンビニに行こうとしてまたあの花屋の前に着いてしまった時、俺は心底自分に引いた。割と本気で引いた。…成程、人は恋をすると無意識に会いに行きたくなるものなのか、わからん。頭を悩ませつつ花屋を見つめていると、彼女が店先から向日葵を持って出てきた。ぱち、と目が合う。彼女は俺を見て笑顔を浮かべた。心臓が、痛い。

(重症すぎて最早面白くなってきたんだが。)

軽く頭を抱えつつ、花屋に向かう足は止められなくて。

『こんにちは!またいらして下さったんですね…!』
「はい…あの質問いいっすか。」
『大丈夫ですよ。』

無愛想な俺に元気に答えてくれる彼女は健気で優しい。そんな優しさに心が温かくなる。

「花屋の店員さんて花言葉とか詳しいものなんですか。」
『うぅん、他のお花屋さんはあまり分かりませんが…私はある程度覚えてます!一時期無我夢中で調べてて…だから粗方は分かります。』
「凄い、ですね。」
『いやいや、勉学は全然なので…。』

話している間に、そういえば苗字すら知らんということに気がついた。彼女をぱっと見るが、名札のようなものはつけていない。

『…?お客様?どうかされましたか?』
「あ、いや、名札とかつけてないのかな、って、」
『えっ?…わぁすみません!名札つけるのすっかり忘れてて…!今付けてきます!』

パタパタとバックヤードに向かった彼女。店長さんだけど結構抜けているらしい。コロコロ変わる表情と、いつでも楽しそうな彼女は見ていて飽きない。

『…よし、これで大丈夫ですね。この店の店長として働いてます、杠葉(ユズリハ) Aです!…あ、名前言わなくても良かったですかね!?』
「ふは、大丈夫だと思いますよ。…まぁ、いきなり言うのは驚かれるかもですけど。」
『わ、ですよね!?すみません…!えっ、と?』
「…あぁ、俺は…澄井 真鳴(スミイ マナル)です。」
『…澄井さん、ですね、ご近所にお住まいなんですか?』
「まぁ徒歩十分程度の所に。」

そんなこんなで他愛のない話をした。ただ俺は、彼女の変化には気付けなかった。

______________________

向日葵・・・貴方だけを見つめる

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作者名:モチモチな餅。 | 作成日時:2022年1月2日 14時

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