溺れて染まる短編集【WT】 (ページ20)

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◎彼服_br ページ20

(彼服シリーズ)(ほんのりr表現注意)
(誤字訂正)

現在時刻、夜の九時。何故か家の中で行われている撮影大会。そのモデルはどうやら私のようで。カメラマン役として頑張っている彼、ぶるーくは真顔で写真撮影に勤しんでいる。

「マジで僕の彼女可愛すぎるんだが…？」
『私はぶるーくの写真の容量が心配なんだけど？』

こうなったのは_____果たして何故だったか。確か、たまたま私が畳んでいたぶるーくのシャツに彼が目をつけたのが始まりだった気がする。急にぶるーくが立ち上がったかと思えば、私の肩を掴んでこう言い放った。

「ちょっと1回僕のシャツ着てみない？」
『…え？』

条件反射で困惑した声を上げてしまったのは許して欲しい。真剣な表情でいきなり上記の言葉を言われたら誰だって困惑するに決まってるのだから。彼に言われるがままシャツを着て彼の前に出れば、即座に始まった撮影大会。そして今に至るわけだけど。

『あの、ぶるーく、』
「ん？何？」

私が声をかけてもスマホのカメラの連射を止めないぶるーく。もう音が凄すぎて最速恐怖を感じる。がしかし、ここで負けては彼の彼女はやっていられないのだ。おずおずと彼に近付き、服の袖を引く。そしてできているか分からないけど、上目遣い…になるように少ししたから覗き込んだ。

『カメラ越しじゃなくて、あの、ちゃんと見てほしい、な…？』

恥を捨ててなんとか言った。正直、ずっとカメラ越しに見られていて気恥しさもあったが、寂しさがあった。ここまできたら、目を見て感想を言ってほしい。ぶるーくは暫くポカンとした後、すぐさまスマホをソファに向かって、まるで用済みだとでも言うように放り投げた。そしてそのまま私に飛びついてきて。あまりの勢いにそのまま床に押し倒された。

『ちょっ、ぶるーく!?』
「はぁ〜！ほんっ、と僕の彼女は可愛いこと言うよねぇ…今すぐ僕の彼女可愛いです、って言いふらしたい。きりやん辺りに言おうかな。」
『それは私が恥ずかしいからやめて欲しいんだけど…で、感想は頂けますか？』
「もうめちゃくちゃ可愛い。食べたいくらい。」
『…食べるのはやめて欲しいなぁ。』

私の希望も虚しく、舌なめずりをした彼に全て飲み込まれてしまった訳だけれども。まぁ彼に可愛いと言って貰えたので、私的には満足だ。

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彼服シリーズ、一応終了かな？