◎初見_br ページ41
(リクエスト!!)
ぶるーくと初めて出会ったのは雨の日だった。結構な豪雨の時に入っていたパン屋のバイト帰り。
((あーあ、今日折り畳み傘しか持ってないよ…。))
うぅ、なんてげんなりしていた時だった。横からやたら明るい声が聞こえてきて。
「おねーさん、大丈夫ですか？」
『ぅえ!?』
傘をさしてひょっこりと現れた彼はコンビニ帰りだったらしくとてもラフな姿で佇んでいた。キョトンとしている私を他所に彼____ぶるーくはよく喋った。
「今日雨凄いですよね〜。すぐ止むと思ってサンダルで来ちゃったんだよね、僕。もしかして傘ないんですか？」
今考えれば、あの時のぶるーくは傍から見たら普通のナンパに見える。が、あの時の私にとってはすごく明るくて面白い人に見えていた。
『傘…あるにはあるんですけど、折り畳み傘で小さくて。しかもよりによってタオルとかなくて。』
あはは、と苦笑いを零すと彼が笑顔を浮かべた。
「じゃあ僕の傘、入ります？」
『えっ？』
「結構大きいですし、二人なら余裕ですよ。あ、でも家バレるの嫌ですか!? 嫌ですよね!!? てかこれ半分ナンパですよね…??」
急に慌てだした彼の表情がコロコロと変わって面白いったらありゃしなかった。それにつられてもし貴方がいいなら、と傘にお邪魔した。初対面の人と相合傘とかどこの恋愛小説だよ、って話だけど本当に楽しかったのだ。
「おねーさん面白いね。…あ、僕の名前ぶるーくね。覚えといて！」
『ぶるーくさん、ですね。覚えました。』
「もしかしてあそこのパン屋で働いてるんですか？」
彼の質問にこくりと頷くとぶるーくは分かりやすくパァ、と顔を輝かせた。まるでケーキを見つけた子供のようで。
「じゃあ明日から通いつめます!!」
『え、!?』
「おねーさんとまたお話したいので。それじゃ！」
バシャバャと水溜まりを駆け抜けて言った彼の後ろ姿が、やけに脳裏に焼き付いたのだ。
付き合ってから彼に聞いたのだが、実はあの日より前から私のことを見つけていたらしい。それで話す口実を探したらああなったと。あの時のぶるーくと相合傘して良かったな、なんて。
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あと少しで続編行きそうですね…
これからも続くので皆様、ついてきて下さると嬉しいです✨
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作者名：モチモチな餅。
| 作成日時：2022年2月13日 22時
